【年間ベスト】Bur@rtが選ぶ「2020年の展覧会」BEST10!

2020年の展覧会 BEST10

2020年はどの業界、誰にとっても特別な環境下にあった年になりました。
新型コロナ禍での美術業界は、美術館の運営やアーティスト活動に大きく影響が及び、中止や延期になった展覧会は数多くありました。緊急事態宣言下の4月〜5月はなかなか動けなかったものの、感染予防対策を行いながら、下半期は比較的穏やかに美術鑑賞が出来たように思います。

毎年12月後半に入ると、この1年の振り返りを行っております。
独断で選んだ、10の展覧会をまとめました。

 

《1位》井田幸昌「King of limbs」Kaikai Kiki Gallery

井田幸昌さん、20代最後の個展は、これまでで最も大きなスペースで開催されました。
天井高の高い空間に合わせて制作された抽象画の対策が非常に良かったです。

これ以外にも、初の作品集を記念して展開された特装版の展示企画にも驚かされました。

《2位》Peter Doig「ピーター・ドイグ展」東京国立近代美術館

日本での初個展となった展覧会。
開幕した直後に休館となり、やきもきする時期もありましたが、ピーター・ドイグとしての重要な作品が幾つも来日し、見事な作品たちを堪能することが出来ました。

 

《3位》鴻池朋子「ちゅうがえり」アーティゾン美術館

鴻池朋子さん、久々の東京美術館での個展は、2020年1月に開館したアーティゾン美術館でした。
スケールの大きな展示空間に、鴻池さんらしい展示構成。出品作品もドローイングからペインティング、立体作品など多彩なラインアップで楽しめました。身体性を伴う仕掛けも良かったです。

《4位》名和晃平「Oracle」gyre

コロナ禍で制作活動に重点を置いた名和晃平さん。
10月末から始まった本展では、9つものシリーズを一堂に展示する、集大成的な構成で臨みました。

先日は京都にある名和さんの工房「サンドイッチ」に伺いましたが、様々なプロジェクトが動いていて、まだまだ私たちを驚かせてくれるようです。2021年以降も期待したいと思います。

《5位》岡崎乾二郎「TOPICA PICTUS」

岡﨑乾二郎さんの人気作品シリーズ「ゼロサムネイル」作品は、コロナ禍で多数生み出されたそうです。
それらを作品集にまとめ、展覧会という形で展開する「TOPICA PICTUS」プロジェクトは秀逸な企画でした。

《6位》トモトシ「ヘルニア都市」トモ都市美術館

「トモトシ」さんは「都市」をテーマに社会へ問いかける作品を発表している映像作家です。
コロナ禍でも新作を発表し、過去作を含めた個展を開催しました。

会場となったのは「トモ都市美術館」です。

残念ながらトモ都市美術館は閉館に追い込まれ、移転を計画しているようです。
現在クラウドファンディングに挑戦しており、2021年春のオープンを目指しているようです。

《7位》山口歴「YOUR OLD FRIEND」PARCO MUSEUM TOKYO

ニューヨークを拠点に活動している山口歴さんの凱旋企画は、渋谷のPARCO MUSEUM TOKYOで開催されました。
これまでの集大成となるような位置付けの個展になったように感じました。

 

《8位》森靖「Ba de ya」PARCEL

巨大な木彫作品が存在感を放つ、インパクトのある展示でした。
普段のギャラリーでは見慣れない子供連れのファミリーがたくさん見に来られていたのがとても印象的でした。

《9位》山下紘加「儚 Ephemerality」THE CLUB

若き女性ペインターの山下紘加さんは、スケールの大きな大作6点の展示でした。
本来はアートフェア東京2020(開催中止)でお披露目される予定だったそうですが、今後は間違いなく注目されていくと思いました。

《10位》ロッカクアヤコ「魔法の手」千葉県立美術館

公立の美術館で開催されたロッカクアヤコさんの個展は、大きなスケールで開催されました。
オープニングにロッカクアヤコさんご本人にインタビューする機会をいただいたのですが、真剣な眼差しと力強い受け答えがとても印象に残っております。芯があり、自己の強いアーティストという印象でした。

 

その他

今回は個展に絞って「10」の展覧会を選んだのですが、グループ展でも良い企画がたくさんありました。

 

さて、2021年は美術界にとってどんな年になりますでしょうか?
楽しみに待ちたいと思います。