【Best of DM 】届いて嬉しい!見て楽しい!〜「DMオブ・ザ・イヤー2019」

DM(ダイレクトメール)

2019年も沢山のDMを頂きました。

DM:展覧会の開催告知媒体、ダイレクトメールの略称。

昨年初めてまとめた記事「DMオブ・ザ・イヤー2018」ですが、意外や反響が多くて今年も書くことにしました。本記事は、告知ツールを超える独特の存在感を発揮したDMに贈るアワードで、2019年に出会った素晴らしいDMをご紹介する、という企画です。
1年間、目にとまったDMを専用のボックスに保管して、先ほど10選んだところです。
※本サイト編集長による独断と偏見企画ですので、ご意見やクレーム等はご容赦ください。

弊サイトへのDM送付はこちらまでお問い合わせ下さい

2019年DMベスト10

それでは2019年に開催された展覧会の中で筆者が手にした10枚の特徴的なDMを取り上げたいと思います(紹介順は任意です)。

1)大久保如彌&ルル・モン

大久保如彌さんとルル・モンさんによる2人展「Real Fairy Tale」のDMです。

大久保如彌 + ルル・モン 「Real Fairy Tale」展覧会会場にて撮影

展覧会のテーマである「鏡」をそのままDMに落とし込んだものです。

PP袋に入れて保管しております。

触ると指紋が付きそうなぐらいツルツルしています。

2)熊谷亜莉沙

個展タイトルにもなった、シングルベッドと同じサイズの大作≪Single bed≫をそのまま切り取って作られたDMです。
展覧会は素晴らしいもので、セールスも好調だったようです。

熊谷亜莉沙「Single bed」ギャラリー小柳
作品≪Single bed≫の図案をそのまま使用したDM。

3)武田鉄平

武田鉄平さんのDMを手に取って、ギャラリーで作品を見た瞬間、トリックアートのような錯覚を覚えました。厚塗りを思わせるDMですが、実際の作品との落差によって、鑑賞者を見事に騙し、虜にさせてくれましたね。

武田鉄平「 Paintings of Painting 」 MAHO KUBOTA GALLERY

4)「WAVE 2019」アーツ千代田 3331

サイズも厚みも印刷も、すべてにお金が掛かる要素が含まれているDMです。
デザインはどなたが手がけたのでしょうか?良いですね!

WAVE 2019@アーツ千代田 3331

5)植田爽介

いつも独創的なDMを送って頂けるTAKU SOMETANI GALLERY。
植田爽介さんの個展「(whereabouts of the) ANIMA」のDMはなんとレンチキュラーレンズを使った視覚を揺さぶるDMです。

植田爽介さんの個展「(whereabouts of the) ANIMA」

キラキラとしていて綺麗で楽しいシートです

6)アルフレッド・ジャー

アルフレッド・ジャーさんの個展「Lament of the Images」のDMはそのまま飾れるクオリティです。厚紙に綺麗な印刷です。スカイさん、いつも素敵ですね!

アルフレッド・ジャー「Lament of the Images」SCAI THE BATHHOUSE

SCAI THE BATHHOUSEのDMは毎度厚紙でお金が掛かってます

会場ではポスターも無料で配られました。

7)山元彩香

山元彩香さんの個展「organ」のDMは個人的に最も気に入っています。

映像作品からモノクロ色に加工してDMに転換したデザインです。

正方形で厚みもあって山本さんの世界観がそのまま生き映ったようなデザイン。素敵です。

山元彩香「organ」void+

しばらく部屋に飾っておりました。ありがとうございました。

8)チョル・ヒョン・アン

アート・バーゼル香港2019コスメメーカーの「ラ・プレリー」のブースに展示されていたのが、光や色、反射、錯覚を駆使した作品で知られる韓国人作家のチョル・ヒョン・アン氏。

スポンサー企画とはいえ、作品のように豪華なDMです。

半透明のスリーブに入っているDM

開封すると3つの円形作品が登場します。※裏面は作品解説

アートバーゼル香港2019展示風景

9)佐々木成美

LOKO GALLERYで行われた佐々木成美のDMは、一見シンプルですが、個展タイトルと作品を上手くデザインに落とし込んだDMです。こういうセンス、なかなか難しいのでは、と思います。

佐々木成美「・/♯ La la la la la la la la la la………. Do do do do do… Ah ah ah..」

10)目[mé]のフライヤー

最後はDMではないんですが、どうしても入れたかった番外編的なものです。
目[mé]の展覧会フライヤーをチョイスしました。

このフライヤー表裏が透けていて両面から楽しめます。
展覧会のコンセプト通り「よく分からない」フライヤーです。

文字が読める表面?

文字面が透けています。「わからない」を反対から読ませるということは・・・、深読みしてしまいます。

おわりに

作家やギャラリーが考え抜いたDMは、情報発信だけに機能するだけでなく、展覧会後にも楽しめてコレクション性をあわせ持っていると考えます。

終了後の個展DMを見ながら、会場の展示風景が蘇ってくることもあります。簡易なフォトフレームに額装してみても面白いですし、ひっつき虫などでそのまま壁に貼ることでも楽しめると思います。

2020年も沢山の展覧会が開催され、その都度DMが世に出回ることでしょう。
来年も、あっと驚く素敵なDMを楽しみにしたいと思います。

磯村暖さんからのSeasons Greeting〜2020年にセゾン現代美術館で展覧会を予定