【プレオープニング展】映像作品一挙<8作品>〜トモトシ個展 「ヘルニア都市」トモ都市美術館

トモ都市美術館

「トモ都市美術館」は、コロナ禍の2020年4月に東京・西荻窪に開館した、現代都市における実験的な試みを実践・紹介する美術館です。

トモ都市美術館(西荻窪駅より徒歩9分)〜古民家の1階・2階が展示室です。

トモ都市美術館プレオープニング展という形で行われていたトモトシ さんによる個展「ヘルニア都市」に伺ってきました。

トモトシ美術館は、旧中央本線画廊の跡地で営業しています。

トモトシさんは都市空間に着目し、自身が行う行為や介入によって人間の心理を巧みにあぶり出し、鑑賞者や社会に対してメッセージを問いかける映像作家です。

本展ではコロナ禍へのリアクションとなる新作2作品をはじめ、ここ数年に発表されたトモトシさんの活動を概観するような作品合計<8作品>が上映されていました。

展示風景

赤のおじさん

通学をの横断歩道にて、小学生を安全に渡らせる「緑のおじさん」という役回りがある。今回ぼくは大人を安全に渡らせるために「緑のおじさん」を演じてみた。

トモトシ《赤のおじさん》2018年

トモトシ《赤のおじさん》2018年

恩山昇りを求めて

トモトシは18才までを山口県下松市で過ごした。この地域では3年に1度、恩山(めぐやま)昇りという行事が催されてきた。
〈日の入りと同時に、大勢で恩山の麓からイノシシを追いかける。 頂上にたどり着くのは日の出ころである。中央に大きな四角形に枠どられた神域があり、イノシシはそこに追われる。最初に神域に入ったイノシシは神官によって捕らえられ、神社で守護獅子として3年間飼われる。 そして次の祭りで食べられるのである。〉
父が神官を務めていたこともありトモトシはこの神事に強く魅かれ、将来深く関わることを心に決めていた。しかし彼が14才のとき、市の合併騒ぎの最中、行事は突然廃止となった。彼は撤回を訴えたが、決定が覆ることはなかった。 それ以来トモトシは日本中を巡りながら恩山昇りに関する調査を続けてきた。
今動画では、関東の美術館・博物館において発見した恩山昇りのルーツに関する調査結果を示す。
「監視員の振る舞いが、神域を侵したイノシシを捕らえる神官のものとあらゆる点で一致している」ことから、決定的な資料となった。

トモトシ《恩山昇りを求めて》2017年

トモトシ《恩山昇りを求めて》2017年

ビクトリーネガティブロード

5月はじめの中央線沿線では、コロナウィルス感染拡大が落ち着いたことからステイホームを解く人が急増していた。
情報の錯綜や行政の迷走もあって、自ら判断をした人である。彼女/彼らのコロナに対する決断を称えるために、ぼくはビクトリーロードを設置した。

トモトシ《ビクトリーネガティブロード》2020年

トモトシ《ビクトリーネガティブロード》2020年

イフアイムーブミー / If I Move Me

コロナウィルスの影響で参加予定だった5つのイベントや展覧会が飛んだ。
そんな3月末、ぼくは6年間住んだ西新宿の家を出た。
収入がなくなったため業者を手配することもできず、自力で荷物を運ぶことにした。
この映像は、西荻窪の新居まで6時間をかけて家財道具を運んだ記録である。

トモトシ《イフアイムーブミー》2020年

トモトシ《イフアイムーブミー》2020年

元の展示風景

フォーマルシティ

日本中が新しいスタートを切る4月。
都心の出勤ラッシュのなか、パジャマからスーツに着替えるパフォーマンスをした。スーツを身にまとった瞬間、少しだけまわりになじめた気がした。

トモトシ《フォーマルシティ》2019年

セブンイレブンで、セブンイレブンを買う 撤去編

「セブンイレブンの外観を撮影し、それをセブンイレブンのネットプリントで印刷し、それをセブンイレブンで買ったはさみとテープで貼り付け、ギャラリーにセブンをコピペする」という作品が撤去されるまでの記録

トモトシ《セブンイレブンで、セブンイレブンを買う 撤去編》2018年

デモクラティックファッション

自分と同じパーカーを着ている人を探し、街を彷徨った記録。
本当に多くの時間を掛けて探したため、見つかったときには他人とは思えない喜びがあった。

トモトシ《デモクラティックファッション》2019年

イケア抄

家具は一度その配置が決まると動かすことは少なくなる。
こうなった家具は、むしろ建築と呼ぶ方がふさわしいのかも知れない。家具のアイデンティティを考えるために、家具を動かし続けるだけの一日を過ごしてみた。

トモトシ《イケア抄》2018年

映像作品は8点いずれもトモトシさんご本人が企画・出演し、制作されました。
トモトシさんのアクションを通じて変化する人間の行動は、示唆に富むメッセージを含み、私たち生活者に気づきをもたらしてくれることでしょう。

概要

トモトシ 「ヘルニア都市」

会場:トモ都市美術館(東京都杉並区上荻4-6-6)
会期:2020年5月15日(金)- 7月31日(金)[会期延長]
開館:土曜日
時間:15:00 – 23:00
料金:フリードネーション(寄付)