展覧会ベスト10
恒例の企画「展覧会BEST10」、今回は2019年の上半期編です。
2018年のベスト10は以下にまとめました。
2019年1月〜6月
毎度恒例なのですが、当サイトの管理人が独断と偏見で選んでいる展覧会BEST10です。
ブロックバスター展と呼ばれる美術館で開催される大型展も、個人運営に近いギャラリーで開催される小規模展も、アートという広義の中に同じように存在するものだと思っております。毎回そうなのですが、敢えてごちゃ混ぜにお届けしております。
広い空間でみる大作のスケール感を味わえる大型展の良さもありますし、油絵の具の香りが濃密に充満するペインターの小規模展も良いですね。今回も順不同で10展を選んでみました。半年間の記憶を巻き戻してみると、いずれもまだ余韻を引きずって楽しめる素晴らしい展覧会でした。未来に期待を寄せることも良いですが、情報消費のスピードが激しい現代は振り返ることで気がつくことも多いと思っています。
1)イケムラレイコ展@国立新美術館
イケムラレイコ展は国立新美術館の大きな空間を生かした会場構成が素晴らしい展覧会でした。
日本語もおぼつかないような海外生活が長いイケムラレイコさん。
だからこそ、東日本大震災から受けたご自身の想いが伝わる展示となりました。
2)OKETA COLLECTION@スパイラルガーデン
コレクターの端くれとして、OKETA COLLECTIONの錚々たる作品を間近で見られて圧倒されました。
コレクターとう立場は変わりませんが、果てしなく遠い場所にいるビッグコレクターさんです。
圧倒的な展示作品を見て、自分の場所を再認識することにも繋がりました。
3)佐藤誠高「DUAL」@みんなのギャラリー
結構やられました。
コレクションしたかったのですが、どうしても欲しかった作品が売約で、ご縁がありませんでした。
次回の展示は必ずチェックしたいと思っています。
4)塩田千春@森美術館
塩田千春さんの展覧会は、頭の中を空っぽにして空間の中に身を委ねるようにして観ると、自分自身が時間や空間と同期して、丸ごとどこかの別世界、異空間に放り出されるような感覚になります。
自分の魂が塩田さんのそれに影響されているような体験でした。
5)熊谷亜莉沙@ギャラリー小柳
初めて鑑賞した若手作家さんです。
可愛らしいお嬢さんのようなルックスに反して、技巧と情熱がキャンバスに投影されていて、見事な作品に仕上がっていました。
将来が楽しみな若手作家さんです。
6)束芋@KIDO PRESS
版画技法でありながらユニークピースとして成立させる新しい発想。
「ゴーストを取る」という視点の面白さと、ゾワゾワする視覚的な面白さがあります。
7)加茂昴@LOKO GALLERY
「原発」に向き合う作家魂と、作品が醸し出す「人間を写し取るチカラ」に心動かされました。
作品の梱包や取り扱いが素晴らしく、コレクターとして信頼できるギャラリーさん。
良いご縁を頂きました。
8)東京インディペンデント@藝大陳列館
ぶっ飛んだ展示企画。こういった取り組みがもっと広がれば楽しいのに・・・、と思う反面、運営側のご苦労を思うと・・・。
寄付箱とかあれば、間違いなくお金を置いておきたくなった展示でした。
関係者の皆様、お疲れさまでした。
9)井田幸昌@銀座 蔦屋書店
以前から追いかけている作家さんなので、その成長を見て嬉しくなってしまいます。
岐阜の奥の方のギャラリーまで見に行ったが2017年。
それから2年、東京は銀座のど真ん中の展覧会でした。
これからさらに遠い存在になっていくような、可能性を感じる個展でした。
10)「ウィーン・モダン クリムト、シーレ 世紀末への道」@国立新美術館
クリムト展も良かったのですが、筆者はこちら。
クリムト、シーレ、ココシュカの揃い踏みは圧巻でした。
なにげにクリムトの素描が良かったですね!
まとめ
先日作家さんのアトリエにお伺いした際に「BEST10」見ました。と言って頂く機会がありました。
よく聞くと、私が絶賛した展覧会を同じように評価されていたとのお話。たまたまその展覧会の作家名をタイトルにした作品も見せて頂きい盛り上がりました。
人によって色んな解釈や好みが分かれるのがアートの面白さだと思います。さて、2019年も後半戦です!