2018年の展覧会 BEST10
細かく計算しているわけではありませんが、2018年に訪れた美術展はかなりの数に上りました。
数分で失礼した展示も多くありますし、時間をかけて長居した展覧会も数多くありました。たくさん見た中で筆者的に印象に残った展覧会Best10をまとめてみました。
当サイトは四半期ごとにBest10をまとめているのでその中の40から選びましたので、サプライズはないかも知れませんが、いずれも素晴らしいものでした。
《1位》鴻池朋子「ハンターギャザラー」
秋田までの遠路を渡り観に行ってきました。作家さんは見てもらうだけっではなく、鑑賞者のあらゆる感覚にアクセスして良いんだと声を大にしたいです。音楽を使うとか、作品に触れる機会を創るとか、見るという行為以外の表現方法に考えを及ぼすと何かしらのヒントがあるかも知れません。
《2位》奈良美智「Drawings: 1988-2018 Last 30 Years」
《3位》みちのおくの芸術祭 山形ビエンナーレ
初めて伺った山形の「みちのおくの芸術祭」。2日間掛けて参加しましたがとても良い芸術祭でした。
遠い東北の地で開催されたわけですが、遠路かけて行く意味のある芸術祭だと思います。
生活から離れた場所だからこそ受け取れるメッセージ、感性があると思っています。
芸術祭を「時間がかかる遠い場所」というネガティブな意識から、逆転の発想で前向きに捉えることをオススメいたします。
《4位》没後50年 藤田嗣治展
藤田の世界が満開に咲き誇った展覧会になりました。過去最高の個展になったのではないでしょうか。
美術館館内に流れる心地良い雰囲気が想い出されます。
ここまで充実した展覧会が行われることはこの先ないのではないでしょうか。
素晴らしい展覧会でした。
《5位》名和晃平「Biomatrix」
展示数は少なかったものの、ギャラリーを支配する空気はピンと張り詰め、作品に没頭する鑑賞者は時間を忘れ、ただ作品に吸い込まれるばかりでした。こういった作品を発想する芸術家としての奥深さにゾッとさえします。希有なアーティストとして、今後の活動がますます楽しみな作家さんです。
2018年に初めてまとめた「DMオブ・ザ・イヤー2018」にもランクインした展覧会でした。
《6位》長谷川利行「七色の東京」
都心から少し離れた「府中市美術館」まで足を運びましたが、非常に良かったです。
長谷川利行は独学で学んだ特徴的な画家ですが、彼の人生を辿るような展示方法も良かったです。
《7位》粂原愛「うたかたの庭」
10月には大阪での個展も開催されました。筆者は伺う機会に恵まれませんでしたが、2018年はたくさんの鑑賞者の目に触れることになりました。作品の価格も大きく上がった一年になったように思います。1段、2段とステージが上がったような作家さんに成長されたようですね。
《8位》ムンク展「共鳴する魂の叫び」
良くも悪くも超有名作品《叫び》のイメージにとらわれているムンクですが、代表作以外にもさすが!と思わせる作品の数々に度肝を抜かれました。版画作品も非常に印象的でした。
ポケモンとのコラボには正直驚きましたが、集客の方も良かったようですね。
《9位》木学/XYLOLOGY-起源と起点-
日本家屋に漂う木彫作品の心地良い香りや柔らかな佇まいが素晴らしい記憶として蘇る展覧会でした。
著名作家による気概を感じる良展でした。
《10位》中園孔二「外縁ー見てみたかった景色」
横須賀美術館で開催された初の美術館個展。既に故人となっている中園孔二さんの地元で開催されました。
大きな吹き抜けの空間が心地良い美術館でした。
以上、気になった展覧会についてはリンクから個別の記事を参照して頂ければと思います。
マジャホウ個展とゴードン・マッタ=クラーク展も入れたかったですが、苦渋のベスト10でした。
参考までに2018年の4半期別のBest10は下記リンクよりご確認下さい。
もしかしたら下記の中のいずれかが本記事のBEST10にランクインしたかも知れません。記事制作のタイミングによって変化する可能性があるくらい微妙な差しかありません。
さて、2019年はどんな1年になることでしょう。
まだ見ぬそれらの美術展を心待ちにしつつ、2018年最後の本記事を締めたいと思います。
2018年もお世話になりました。
2019年も引き続きよろしくお願い致します!