【アートコレクター訪問企画Vol.3】山田航平さん(画家)のコレクション

アートコレクター訪問

本記事はアートコレクターのお宅に訪問してコレクションを拝見する企画です。
第3回目となる今回は、画家としても活躍している山田航平さんです。

山田航平さんは、美術史やデザイン、サブカルチャーなどを引用した絵画を制作しているアーティストです。
2019年のアートフェア東京に出展したほか、個展やグループ展などを重ねて活躍しています。

山田航平さんのご自宅は、東京都西部の集合住宅に構えております。

玄関からホンマタカシさんの作品≪SCANDINAVIAN 、MUSHROOM#4≫2011年がお出迎えです。

同じく玄関には2016年にGALLERY TARGETで開催したラリー・クラークの個展ポスター(サイン付)

山田航平さんの制作する作品は、すぐにコレクターの手に渡っていく、いわゆる完売作家です。
緻密な表現を目指す画家として、制作には多くの時間を要します。
多くの時間を制作活動に当てている山田さんは、外に出歩くことの少ない、ストイックな生活を送っています。
また、美術への興味関心の熱量が非常に高く、幅広い美術関連書や展覧会の図録、アーティストの作品集を収集しており、壁一面に広がる本棚にびっしりと並んでいました。

カテゴリごとに区分けされた本棚

間取りこそ1LDKですが、本棚やアトリエスペースを除いても、広い床面積が確保されていました。
1人で生活するには十分な広さが確保されている印象です。

山田航平さん

本の上に佇む菅原玄奨さんの作品≪dalmatian ≫2018年

山田航平さんのアートコレクションは、写真作品を柱としています。

ホンマタカシ≪sick of good bys≫2013年

ホンマタカシ≪TRAILS≫2019年

左:川島秀明≪風≫2013年 ※アダチ版画謹呈作品 
右:やましたあつこ≪a night≫2019年

コレクション作品の展示位置も特徴的でした。作品の制作中に目線が注がれるような位置関係に配置されているのです。

上からやましたあつこ≪call me by your name≫ 2019年
中:松江泰治≪ADX 18653≫ 2015年
下:ホンマタカシ≪Bawa/Ahungalla≫2014年

テーブルのコーヒーセットと立花英久さんの塑像作品/2019年

左:山田航平≪自画像≫2016年 ※大学院修了直後に、その後作家としてやっていけるのかという不安な気持ちを描いた作品
中:フランシス・ベーコン ポスター
右:村上隆≪夢をみたい訳ではない。しかし夢が自分を支配するのだ。≫2015年 ED:300

お宅訪問中には、本棚から美術関連の本を次々と取り出してくれて説明頂きました。
とにかく美術が大好きで、尽きることのないアートへのエネルギーに満ちていました。

コレクション作品のひとつを取り上げて、「この作品の面白さはどこにあるんですか?」という質問に対し、明確に言語化できるところに、これまで培ってきた作家道と美術愛を感じました。

コレクター山田航平氏の美術愛は、アーティスト山田航平に繋がる一貫したエネルギーに満ちていて、心地良い取材となりました。

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