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MahiroKobayashi
【アトリエ訪問】ストイックに美術を掘り下げる画家・山田航平さんのアトリエに訪問
山田航平さんアトリエ訪問
山田航平さんのアトリエに訪問する機会を頂きました。
お伺いした日は2020年を迎えたばかりの1月初頭です。東京西部の郊外にある集合住宅のひと部屋にお邪魔しました。
アトリエ兼住居として、広めの1LDKに住んでいる山田航平さん
山田航平さんは、美術やデザイン、映画などから引用されたモチーフを含めたポートレート作品を軸に描いています。その制作手順は、以下のように緻密で丁寧な進め方です。
スケッチブックに描かれたアイディアスケッチ〜スケッチブックより
作品の構成がぼんやりと決まります〜スケッチブックより
次に、方眼入り模造紙に鉛筆で人物の形を決めていきます。
下絵の段階でも、中央値を取りながらミリ単位で構図を計り、色は画面全体のバランスを考慮しながら下絵の段階で完全に決めてしまいます。
鉛筆を使って丁寧に仕上げた習作は、作品としてのクオリティも高いです。
自分で綿布を張ったパネルに下絵を慎重に転写した後、油絵具で描き込んでいきます。
直線や円を描くときも、手仕事であるがゆえに生じてしまう微妙な揺らぎを大事にしています。
木製の組み立て式イーゼルを使って描いています。写真は制作途中の10号作品
1枚の絵に費やされる時間は20日以上にも及ぶそうです。
細かく描かれた髪の仕上げの線は、何時間もかけてフリーハンドで緊張しながら描くそうです。
キャンバスに筆を持つ手が触れないように使用する木材「腕鎮(わんちん)」
書き込まれた文字に注目です。
実際に描くときのイメージカット ※出演:山田航平さん
美術に造詣の深い山田航平さんらしい、圧倒的な美術関連書コレクション
使用する筆はこれだけです。細い筆だけを使用して描かれています。
使用中の紙パレット
今後の予定は2020年1月29日から東京を皮切りに京都、横浜、名古屋、大阪、新宿と高島屋の各店を巡回する「美の予感2019」、3月に開催するグループ展など、春までの期間で作品を見る機会が用意されています。
2020年も期待のアーティストです。
山田航平≪タイトル未定(制作途中) ≫2020年
コレクターとしても取材を行いました。下記記事より参照ください。
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