【アートフェア東京2019】山田航平(Kohei Yamada)「引用礼賛」@木之庄企畫

山田航平(Kohei Yamada)@アートフェア東京2019

アートフェア東京2019の無料ゾーンに並んだ企画の1つ「Projects」は、これから注目の若手作家を個展形式で発表する場として賑わっていました。
参加12ギャラリーの中のひとつ、ギャラリー「木之庄企畫」が企画したのが山田航平さんの個展「引用礼賛」。筆者が最も会いたかった作家の一人です。

山田航平個展「引用礼賛」左:《ありきたりな狂気の物語》 中:《リメンバー ××》右:《シャイなグラフィティ
アーティスト》

山田航平さんの作品は、少女や少年を描いたポートレート作品が中心です。
作品は1つのモチーフに2つの作品とするのが基本スタイルです。

左上:《磔刑図のための断片》 右上:《私のちょうちょ》 
左下:《光の狩人》 右下:《ソーダ水と私》

歴史上のアーティスト作品を引用した作品は、それぞれの作品に含まれる要素を見ればアート好きであればすぐに想起できるはずです。

左上:《レスイズモア》 右上:《インフィニティ・ガール(白)》 
左下:《レスイズボア》 右下:《インフィニティ・ガール(赤)》
左の3作品はジクレープリント。

既に会期前から争奪戦が行われていて、草間弥生さんを引用した作品《インフィニティ・ガール》はいずれも会期前には完売という状態でした。

山田航平さんが向き合う作品制作への想いはこだわりに満ちています。一見アクリル絵の具を使ったようなポップな色彩は,全てがキャンヴァスに油彩で描かれています。
肉眼で間近に作品を鑑賞すると、その絵肌は精緻な筆の微妙な動きが感じられます。

《インフィニティ・ガール(赤)》※部分一つ一つを細かくディテールにこだわって表現

《インフィニティ・ガール(赤)》におけるドットの描き方も、本家草間彌生さんの作品で見たものよりも細かく丁寧に描き上げていて、「狂気に迫るような感覚」を疑似体験するような意識で取り組まれたそうです。

下絵段階からキチンと書き込みを行っている丁寧な仕事。※写真は最新作(ウォーホル?)

また、作品は一発勝負ではなく、丁寧に鉛筆で下絵を作ってから色を付けていくそうです。巧みな色使いの妙も素敵です。

山田航平《レスイズモア》2018年

山田さんが絵に残したこだわり部分を見つけて行くような鑑賞方法も面白さの1つなのかも知れません。

《レスイズモア》※部分

作品の制作スピードもなかなか上がらない理由も分かります。平均して月間2作品ほどのペースで制作しているそうです。

《ありきたりな狂気の物語》

山田航平さんのこだわりは公式twitterの中で紹介される生活の中で触れることが出来ます。是非フォローして追いかけてみて下さい。

作品《リメンバー ××》と同じキメポーズで撮影しました。

今後、どのような作家をオマージュして作品に残していくのか、これからの活動にも注目していきたいと思います。

概要

アートフェア東京 2019

会場:東京国際フォーラム・ホール E
会期:2019年3月7日(木)〜 3月10日(日) 4日間 (最終入場は各日終了30分前)
プレスビュー:3月7日(木)13:00-14:00
プライベートビュー:3月7日(木)14:00-16:00
ベルニサージュ:3月7日(木)16:00-20:00
パブリックビュー:3月8日(金)・9日(土)11:00-20:00・10日(日)11:00-17:00
入場料:前売券 /1DAY パスポート4,000 円 (税込) 当日券 /1DAYパスポート5,000円(税込)(小学生以下は、大人同伴の場合に限り入場無料)