水戸部七絵さんのアトリエ訪問
水戸部七絵さんのアトリエに訪問する機会を頂きました。
お伺いした日が2019年の11月30日。個展がスタートしたばかりの会期中タイミングです。
水戸部さんのアトリエは都内から少し離れた郊外にあります。古い工場跡をそのまま活用しており、高い天井高と広い間口、コンクリート打ちっぱなしの床、極めつけはそのまま使えるクレーン装置など、水戸部さんの制作スタイルに相応しい環境が整っています。
アトリエに入ってすぐに視線が吸い寄せられるのが最も大きな作品です。これは1トン(1000kg)にも及ぶ重量級の作品で、展示の機会を待っているようです。
滞在したアトリエでの数時間は、アトリエを囲むのどかな風景に飲み込まれるように、今までのアトリエ訪問にない優雅で贅沢な時間が過ぎていきました。
1トン級の重量を誇る作品の傍らで制作の話をする時も、オフの状態でお茶を飲みながら話をする時も、常に自然体でストレートな状態で対話をしてくれた水戸部さんでした。
作品制作におけるノイズが全くない、ストイックな環境で制作を続ける水戸部七絵さん。
比類無き作品を作り続ける環境に足を踏み込んで感じたことは、芸術表現をひたすら追い求める、真っ直ぐな芸術作家としてのあり方でした。