【Bur@rt Diary】目[mé]の展覧会 を見て、嬉しくなった。

Burart Diary

毎週月曜日の朝に公開するBurart Diary。
ぶらっとアートの編集長が、アートに関すること、日常の好きなことや思ったことを日記形式でつらつらと綴っていく記事です。
お暇なときにでもお読み下さい。

海外で見るアート、買うアート

先日行った上海アート旅行にて、もう2年以上待ち焦がれていた作品に対面できました。日本人作家の江口綾音さんの作品です。
絵肌の感じが取っても好みで、コレクションしたい思いが強かったのですが、中国という場所で購入するコストやエネルギーを考えすぎて、手が出ませんでした・・・。一期一会のアート作品なので、今後にご縁が続いてあるのか分かりませんが、悩ましい時間でした。

先日は別の作家の作品で、「ちょうど日本に行く予定があるので作品を買ってくれ、送料はFreeだ!」なんて海外のギャラリーさんとやり取りがありました。ギャラリーにもよりますが、海外にある作品を購入する際の送料は、購入者負担のケースが多いようですね。私は日本でアート作品を購入することが多いのですが、海外で購入する際のお作法やルールには気をつける必要がありそうです。来年のバーゼル香港まで勉強しておきたいと思ってます。それにしても香港の情勢が気になります・・・。

プライス(価格)の取り扱いについて

当サイト「ぶらっとアート」に、作品のプライスを掲載することについて、読者の方から好意的な意見をいただくことが多いです。ギャラリーでは、販売商品にもかかわらず価格表示を前面に出さない不思議な慣習があることにずっと違和感を感じています。

メガギャラリーのPERROTINでも、通販サイトでは明快に価格表示していますが、展覧会では問い合わせをしなければ価格は分かりません。2つの違った表情を作る理由が知りたいです。

初めての経験なのですが、先日とあるコマーシャルギャラリーから「掲載ページのプライスを外して欲しい」と言う連絡が来ました。掲載依頼や修正依頼をいただく事はありますが、こういった形の連絡は初めての出来事でした。良い機会だと思って「対応させて頂きますが、その理由をお聞かせ下さい」とお返ししました。すると、これまで続いていたやり取りがプツッとそこで途切れてしまったのです。担当者が上司に確認しているのか?返信を忘れてしまったのか?先方のご事情は分かりませんが、なんともすっきりとしないやり取りでした。

作品価格の表現方法や取り扱い方は難しい問題なのかも知れませんが、アートに近くない人たちから見れば、プライスが付いていないと販売しているのか分かりませんし、不自然に金額を出さないアート業界には、理解に苦しむ慣習やしきたりに戸惑うことが多々あります。「○○だからプライスは載せないで欲しい」、と明快なメッセージが有れば納得出来るのかも知れません。

日本のようにアート作品を購入するカルチャーが根付いていない地域では、マーケットからの認知と理解に繋がる施策を打ち出さないと、益々先細りしてしまうように思います。

「目[mé] 非常にはっきりとわからない」

現代アートチーム「目[mé] 」による、千葉市美術館で開催中の展覧会「目[mé] 非常にはっきりとわからない」に行ってきました。

「目[mé] 非常にはっきりとわからない」メインビジュアル

本展「目[mé] 非常にはっきりとわからない」の展示レポートは、出来るだけネタバレにならないようにしなければなりません。
本サイト「ぶらっとアート」では会期後にアップしようと思いますが、本展に関して、公開されている情報だけでも整理しておきたいと思います。→あまりにも当記事のアクセスが多く、下記に記事をまとめました※2019年12月4日更新。

公開されている情報さえ必要ない!と言う方は、このコーナーでDiaryは締めとなりますので、この場所で離脱下さい。
読んでも良いよ!と言う方、以下よりお進み下さい。

「目[mé] 非常にはっきりとわからない」は、公式サイトに記載されている以下の文章が、唯一用意されている展覧会の情報です。

千葉県の地球磁場逆転地層(チバニアン)や、それらの地質学によって示されるように、未だに原因が解明できないような天変地異の連続の上に、私たちの現実という地表の世界は成り立っています。

本展では、展示物に加え、鑑賞者の動きや気づきを含む千葉市美術館の施設全体の状況をインスタレーション作品として展開し、突き放された現実としての美術館に人々を誘います。様々な状況が集積されてゆく動的な展示空間は、訪れる人々が理解していたはずの意味や本質を剥がしてゆくように、当たり前のものとしてどこか見過されているような現実世界を、新たな感覚で捉え直させる機会となるでしょう。

本展覧会の来場者は、展覧会内容が理解出来ない方もいそうです。
来場者は、会期中であれば何度でも入場することが出来ます。この特別ルールも本展覧会の内容を表しているように思います。とにかくぶっ飛んだ企画です。

また、展覧会の内容が分からなかった人のために「わからない収集BOX」と言うものが設置されていました。

わからない収集BOX

「わからない収集BOX」に投稿した内容はTwitterに連携される形で公開されます。投稿を見ると、理解している方の投稿も含まれていて、鑑賞後に見ると、味わい深くて楽しく感じるコンテンツです。

また、会場で販売されていた限定グッズも貴重なコレクションアイテムです。
ドローイング付きポスターは限定30部ですぐに持ち帰りが可能です。ドローイング付きのカタログは、カタログの制作がまだ終わっていないため、発送が来年の1月後半になるとのお話しでした。

 

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開催中の企画展「目 非常にはっきりとわからない」の限定グッズの販売が始まりました。目によるドローイング&サイン入りポスター(α)です。30枚限定、すべて手書きで、世界にひとつだけの作品となっています。 . おなじくドローイング&サイン入りカタログ(α)も予約受付中(2枚目がイメージ写真です)。こちらも限定品となりますので、お早めにご予約ください。 . 【ドローイング&サイン入りポスター(α) 】 限定30枚 10,000円(税込) 【ドローイング&サイン入りカタログ(α) 】 限定50部 20,000円(税込) ※売上はすべて目の活動資金に充てられます。 . #千葉市美術館 #ChibaCityMuseumofArt #目 #非常にはっきりとわからない #現代美術 #現代アート

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筆者が購入したドローイング付きポスターは、展覧会の内容が作品の素材やモチーフとして含まれている作品で、思わず笑みがこぼれる内容でした。それぞれユニークな手書きのグッズですので、興味のある方は要チェックです。

この展覧会「目[mé] 非常にはっきりとわからない」は、鑑賞者の捉え方によって、色んな意味を含む展覧会のように感じました。前半はなんだろう?と思いましたが、次第に笑みがこぼれてしまいました。攻めの展示を貫いた関係者の皆さまに拍手です!

Burart編集長
コバヤシマヒロ