【Burart diary】ギャラリーオーナーの「隠し球」

情報交換

コレクター同士で情報交換することがあります。
今回はクローズドで行われたそのやり取りのお話し。固有名詞は伏せますが、内容は実話です。

筆者の繋がりで、感度が高くセンスの良いコレクターさん「A氏」とオンライン上のメッセージ交換を重ねておりました。
A氏が所有している作品はネット上に公開されていて、著名な作家さんの作品やご自身のセンスで選び抜かれた目を見張るような若手の作品が並んでいて注目していました。
メッセージ交換の内容は、所有作品の作家についての問い合わせをする事もありますし、その逆で筆者側への同じような質問もありました。
ある時のメッセージで、私が持っている作品の作家について、A氏が興味を持っているようなことを知りました。その作家さんは現在国際的にその存在感や知名度を上げており、作品を購入することはなかなか困難な状況で、さらに価格も上昇しております。
筆者は別の件でA氏から貴重な情報を頂いていたので、某作家の作品が地方のギャラリーに眠っているとの情報をお渡ししました。ギャラリーのオーナーと懇意にしている筆者は、以前開催した個展で展示された作品がまだそのギャラリーに保管されていることを知っていたという経緯がありました。作品の写真も持っていたのでお送りしました。
それから数日後、東京から離れたその場所へ弾丸のように行ってくるスピードにも驚きましたが、もっと驚いたことがありました。

ギャラリーの隠し球

A氏からのメッセージはギャラリーに訪問した報告に加え、作品2点を購入したというものでした。
しかし、送られてきた購入作品の画像を見てビックリ!A氏が購入した作品は、私が想像していた作品とは違った作品だったからです。
なぜそのようなことが起きたのか?A氏が購入した作品は新たに届いた新作だったのか・・・?

結論から申し上げると、作品はギャラリーのオーナーが所有していた作品でした。どうやらその作品は個展前のグループ展で売れ残った作品で、ギャラリーのオーナーが個人として所有していた作品だったようなのです。あぁ、そうだったか・・・!と納得。

展覧会で売れ残った作品への対応

そういえば、懇意にしているギャラリストの方からこんな話を伺ったことがあります。
某取り扱い作家の個展最終日、「売れ残った作品は、何点かギャラリー所蔵にするため購入しようと思います」と言うものでした。
なるほど、ギャラリーと作家の関係性が関わっている背景があるのかも知れません。
作家の取り扱いギャラリーには、思わぬ作品が眠っている作品がありそうですね。

まとめ

ギャラリーの中には沢山の宝物が隠れているのかも知れません。
画廊としての所有作品もそうですが、作家に一番近い距離で作品に接しているのがギャラリストです。何らかの隠れた作品を所有していても全く不思議ではありません。
そういえば、とある現代アート作家の方から直接メッセージを頂き、アーティストエディション(AP版=artist proof)の作品をお譲りいただく事が出来ました。以前からその作品に対して欲しいオーラを出していたことが大きな理由かも知れません。これについてはまた追って記していきたいと思います。

欲しい作品があれば、諦めず貪欲に求めていく姿勢や行動が必要なのかも知れませんね。