【最強アイテム】美術館・ギャラリーで額装作品を綺麗に撮影する方法〜PLフィルターの効果とは?

反射光問題

プロのカメラマンさんから個人レッスンで写真撮影のレクチャーを受けております。
もっとカメラのことを知りたいですし、撮影の腕を上げて作家さんの作品を実物に近い形で記録に残し、皆様に届けたいと思っております。
そんな中、先生に教えて頂いた撮影アイテムが超素晴らしい!ということで、実際に撮影した画像をご紹介しながらレポートしたいと思います。

PLフィルター

今回ご紹介するのは「PLフィルター」という撮影アイテムです。カメラレンズの先端にねじ込み式で取り付ける偏光フィルターです。
一般的には色彩を鮮やかに表現する風景撮影には必需のPLフィルター。主に2つの効果を発揮してくれる優れ物です。
1つ目の効果は、水面やガラスなど光の表面反射を除去する「反射除去」。本記事はこれについて記述します。
2つ目は、青色の空を濃くし、樹葉、山肌、建物などの色彩を鮮やかにする「色彩コントラスト」の効果です(これについてはまた追って記事化します)。

Kenko社のPLフィルター「Zeta EX」 サーキュラーPL

今回購入した製品は筆者の使用している広角カメラと相性の良い薄型のフィルターKenko社のPLフィルター「Zeta EX」 サーキュラーPLです。各メーカーから多くのフィルターが発売されているので好みのブランドや価格などからご自身にフィットする製品を選ぶと良いでしょう。

開封時の状態。ケースはご覧のようなプラスティックケースでオシャレとは言えない形状、デザインです。保管にはOK。

サーキューラーとは、フィルター部分をクルクルと手動回転させることが出来て「適切なポジションに調整出来る」素晴らしい構造を持つフィルターです。もちろん、この機能が無い通常のPLフィルターもあります。目的に応じて選択すると良いでしょう。

筆者のカメラの口径は49mmでした。カメラの種類によってサイズが変わります。口径が大きくなると価格も上昇します。

実際に撮影してみた

フィルターの効果を測るため、フィルター無しの状態との差を三脚固定して撮影してみました(屋内使用)。撮影に使用した作品は井田幸昌さんの作品「end of today」で箱形額装です(ギャラリーなうふ現代個展時に購入)。それでは今回導入したPLフィルターを装着して撮影してみましょう。

通常の保護フィルター使用時〜ご覧のように反射が強く作品全体を覆うように映り込みがあります。

撮影時の設定は全て同一条件にしております。(使用カメラ:ライカQ 28mm ISO800  f4.0 1/50秒)。もちろん画像の加工は一切行っておりません。

サーキュラーPL装着時〜いきなり効果を確認出来る状態です。

サーキュラーPLフィルターはいきなり効果を発揮してくれましたが、これでも映り込みが強い状態なのでファイダーで映り込みの状態を確認しながら調整していきます。

調整途中の撮影画像〜クルクルとフィルターを回転させていくと反射光が弱くなっていきます。

お分かりいただけましたでしょうか?比較しやすいように、スライド式の画像比較でご覧下さい(中央部分のポインタをスライドしてみてください)。

いかがでしょう?なかなかの効果ですよね!さらにフィルターを調整してベストなポジションを探しました。

これがベストポジション!いかがでしょう?映り込みが大きく解消出来ました。PLフィルターのもうひとつの効果「色彩コントラスト」も出ているような気がします。

それでは、フィルター使用無しとPLフィルターのベストポジションを最後に比較してみたいと思います。

はい、一目瞭然!凄い効果を感じますよね。
たった1枚のフィルターでここまで差が付くとは思いませんでした。美術館やギャラリーでの撮影がますます楽しめそうです。皆様にもおススメ!