【個展】光と文字で表現する〜アルフレッド・ジャー 「Lament of the Images」 SCAI THE BATHHOUSE

アルフレッド・ジャー「Lament of the Images」

アルフレッド・ジャーさんの個展「Lament of the Images(イメージの嘆き)」にお伺いしました。会場は SCAI THE BATHHOUSEです。

アルフレッド・ジャー「Lament of the Images」

アルフレッド・ジャー(1956年、チリ・サンティアゴ)は、彫刻・建築・映画などさまざまなメディア領域にわたり、ミニマリズムの厳格な語彙を用いて文化や政治の危機的状況を表現するアーティスト。世界各地の人権侵害や社会的不公正に関する綿密なリサーチによって、メディアに歪められた情報を見つめ直し、人道的な洞察を通じて状況の真相に光を当てます。このようなジャーの妥協のない取り組みは、本展において、現代におけるメディア文化への批判となって表れています。

ソーシャルメディアにおけるデジタル写真の氾濫と、報道メディアにおける情報のコントロール。フェイクニュースが蔓延し、嘘から真実を、フィクションから事実を導き出すことは一層困難となり、社会におけるイメージの危機が顕在化していきます。現代の視覚文化における盲目性を語る本展は、光と文字とで構成されています。そこには一枚の写真もありません。

Alfredo Jaar《Be Afraid of the Enormity of the Possible(可能性がもつ非道さを恐れよ)》2015年 ネオン 122×189cm

Alfredo Jaar《You Do Not Take a Photograph, You Make It.(写真は撮るものではなく、創造するものだ)》2013年 ネオン 122×189cm

ポスターは1人1枚無料で持ち帰りが可能です(70cm×70cm)

こういう時にポスター入れを用意しておきたいですね。

個展タイトルと同名の作品《Lament of the images(イメージの嘆き)》は、アルミ製のテーブルが2台組み合わさった状態から徐々にその作品の意味が明らかになっていきます。

Alfredo Jaar《Lament of the images》2002年 Two aluminum tables, glass, perspex, LED lights and motor 420×244×122cm

静かなモーターでテーブルが引き上げられると、テーブルに組み込まれた光が露わになっていきます。

天井高の高いSCAIさんだから出来る展示かも知れません。

氾濫する写真や動画をまばゆい閃光になぞらえ、現代社会の盲目性を表しているようです。

概要

アルフレッド・ジャー
「Lament of the Images」
会場:SCAI THE BATHHOUSE
会期:2019年10月4日(金)〜 11月2日(土)
時間:12:00 〜 18:00
※日・月・祝日休廊