【個展】組み合わせの自由が創る〜岡上淑子「フォトコラージュ 沈黙の奇蹟」@東京都庭園美術館

岡上淑子「フォトコラージュ 沈黙の奇蹟」

岡上淑子さんの個展「フォトコラージュ 沈黙の奇蹟」に伺ってきました。会場は東京・目黒の東京都庭園美術館です。

周囲を綺麗な庭園に囲まれる東京都庭園美術館

91歳を迎えられる岡上淑子さんの個展です。

岡上淑子さんはコラージュという技法を使った作品で有名な作家さんです。

会場に入るとご覧のような解説が壁面に書かれています。

1950年代のTIME、LIFE、Vogueといった海外雑誌に掲載されている写真素材を切り取って制作した作品が評価され、日本におけるシュルレアリスム運動を先導した瀧口修造氏に見出されました。

サhttps://burart.jp/2018/09/shuzo-takiguchi/

岡上淑子《夜間訪問》1952年

瀧口修造氏との書簡〜本展は各種の関連資料がさまざま展示されています。

岡上淑子《沈黙の奇蹟》1952年

東京都庭園美術館の落ち着いた内装との親和性がありました。

岡上淑子《招待》1955年

型紙の展示〜岡上淑子さんは洋裁を勉強されていたこともあり、「はさみで切り取る」という作業を習慣的に取り組んでいました。

1950年代に岡上淑子さんの作家活動の中で重要なキーワードとなっていた「ファッション」について、50年代当時のクラシックドレスも展示されていました。

左:クリスチャン・ディオール《イヴニング・ドレス》1952年
右:クリストバル・バレンシアガ《カクテル・ドレス》1955年

コラージュ・・・他人の作品の拝借。鋏と少しばかりの糊。

岡上淑子《暗い休日》1953年

展示風景より〜東京都庭園美術館

岡上淑子《変心》1953年

岡上淑子《落下》1956年

本店の図録やポストカードなどが並ぶミュージアムショップ

女性の地位も現代とは違ったであろう、戦後の混沌とした時代に作られた写真を切り取って組み合わされた作品の数々。ファッションを1つの柱として、そこから放たれる作品の力は、沈黙の中にも蓄えられたエネルギーを感じました。

本展はアメリカのヒューストン美術館で所蔵されているコレクションも多く出品されています。
様々なコラージュ作品が集まる貴重な美術展です。

概要

岡上淑子
フォトコラージュ 沈黙の奇蹟
会期:2019年1月26日〜4月7日
時間:10:00〜18:00(2019年3月29日、30日、4月5日、6日 〜20:00)※入館は閉館の30分前まで
会場:東京都庭園美術館 本館、新館ギャラリー1
住所:東京都港区白金台5-21-9
電話番号:03-5777-8600
休館日:第2・第4水(2月13日、27日、3月13日、27日)
料金:一般 900円 / 大学生 720円 / 中学・高校生 450円 / 65歳以上 450円 / 小学生以下無料