アートフェア東京2018(Art Fair Tokyo 2018)の全体的な感想について

アートフェア東京2018 Art Fair Tokyo 2018

アートフェア東京2018に行ってきました。

アートフェア東京2018は日本国内で最大のアートフェアです。
今回はパークホテル東京やアーツ千代田3331を使ったサテライト企画を同時展開し、期待して伺いました。

AFTカード所有者に限定して公開された初日のプレビューから会場内の熱気は高く、それほど大きくない会場を埋めていました(正確に覚えていませんが、昨年より縮小した印象?でした)。

3331アートフェア

2018年3月7日、いち早く幕を切ったイベントがアーツ千代田3331で開催されました。
若手の作家を中心に構成されているイベントですが、初日からかなりの賑わいでした。

オークション企画やトークセッションなど、色々な企画が重なり合って関係者が頑張っている印象。場内も活気があってなかなか良い雰囲気です。結論から言うと筆者が最も印象良い場所になりました。

若手の作家さんともお話しできましたが、まだまだこれから羽ばたいていくような可能性を感じました。

「ART in PARK HOTEL TOKYO 2018」

パークホテル東京で開催された「ART in PARK HOTEL TOKYO 2018」(略称:AiPHT / アイファット)も面白い企画ですね。ホテルの部屋を使った非日常感が楽しめる企画です。

アートを意識したホテルというブランディングを推進していますが、アーティストフロアの31階ではなく、26階と27階の2フロアを貸し切りで展開していました。

総勢42ギャラリー(東京:16軒、東京以外:24軒、台湾:1軒、韓国:1軒)が出展し、それぞれ趣向を凝らした展示方法で各部屋が華やかに彩られていました。

パークホテル東京は、「日本の美意識が体感できる時空間」というコンセプトのもと、館内各所でアートを意識した空間づくりを進めています。アーティストフロア(31階)の全客室は、壁に直接絵を描いた「アーティストルーム」で、客室そのものが作品空間となっています。

それぞれのギャラリーさんが趣向を凝らした部屋の使い方で、見ていて面白かったです。

部屋で作品のお話をしていると、秘密取引風のような感じもして非日常感がありました。

富田菜摘さんの作品がお出迎えしてくれました。

国際アートフェアとしての地位

今回のアートフェア東京の開催期間は2018年3月8日〜2018年3月11日。全く同じタイミングで行われているアートフェアがニューヨークでも開催されていました。アートバーゼルと並ぶほど大きなイベント「アーモリーショー(Armory Show)」です。

このアーモリーショーは非常に大きなアートフェアなので、アートフェア東京に出展している海外のギャラリーは少数です。アートフェア東京の来場者はほとんどが国内の愛好家や関係者のみです。世界的なアーティストの作品はニューヨークにあるのだから当たり前です。国際アートフェアとしてのポジションとしてはまだまだマイナーレベルの立ち位置です。また,ニューヨークでは同じタイミングで「art on paper 2018」という別のアートフェアも開催されています。さすがアートの街NYですね。

アジアに目を向けると、ギャラリーだけではなく、著名な美術作家もオリジナルの新作を出品するのはアートフェア東京ではありません。3週間後に行われる香港で行われる「アートバーゼル」です。アートバーゼルは街全体がアートに染まる一大イベントです。このような時期に開催した「アートフェア東京2018」は、開催時期を検討しても良いのでは?と思ってしまいます。※アートフェア東京は商売上手の広告代理店の電通さんが仕切っております。

国内ギャラリー

国内を見ても主要なギャラリーの参加率は決して高いと言えません。
ギャラリーから見たアートフェア東京は有料イベントです。小さいブースでも諸経費含めて最低でも約100万円掛かります。作品の販売益でリクープできるかは正直難しいところです。
ギャラリー及び所属アーティストのプロモーションとして、赤字覚悟で割り切っているというのが正直なところでしょう。名前は出しませんが、複数の有力なギャラリーの名前がクレジットされていないことには調べれば気がつくはずです。

まとめ

国内最大のアートフェアにも関わらず、メジャーなギャラリーは見向きもせずに海外へ視線を向ける状況。国内のアート業界が一体となって盛り上げようとする機運を高めていかなければ、一般の消費者にメッセージは届きにくいと感じます。
陰と陽がそれぞれ含まれる「アートフェア東京2018」。泣いても笑っても日本国内最大のアートフェアイベントです。立場が違ってもアートに関わるそれぞれの人たちが、次の大きな未来を作っていく形にしたいものですね!

概要

アートフェア東京2018(Art Fair Tokyo 2018)
会場:東京国際フォーラム ホールE & ロビーギャラリー
チケット:1DAYパスポート(前売券 3,000円/当日券 3,500円)
開催日時
プレスビュー
3月8日(木)13:00 〜 14:00
プライベートビュー
3月8日(木)14:00 〜 16:00
ベルニサージュ
3月8日(木)16:00 〜 20:00
パブリックビュー
3月9日(金)11:00-20:00
10日(土)11:00-20:00
11日(日)11:00-17:00