【アートコレクターのお作法】美術市場における「プライマリー」と「セカンダリー」の違いについて

美術市場における「プライマリー」と「セカンダリー」の違いについて

現代アートのコレクションをしていると、「プライマリー」「セカンダリー」という言葉が使われるケースに遭遇する場面があります。

「プライマリー」と「セカンダリー」は、いずれも購入場所を指す言葉で、「プライマリーギャラリー」とか、「セカンダリーギャラリ−」という単語に置き換えられる場合も有れば、「オークションなどのセカンダリー市場」という表現もされます。

美術作品の市場では、主にプライマリー(一次市場)とセカンダリー(二次市場)に大別することができます。

さて、どのような作品がそれぞれの市場で動いているのでしょうか?

 

プライマリーとは?

作品が世に出る最初の市場がプライマリー(一次市場)です。
現存する作家の最新作は、基本的にプライマリーから発表されます。

プライマリーは、ギャラリー、画廊、アートフェア、百貨店や商業施設等で作品が展示され、同時に販売されています。

アートフェアの多くは有料入場ですが、ギャラリーや画廊は無料で入場出来るものがほとんどです。実際に作品を見て購入を検討することが出来ます。

セカンダリーとは?

プライマリーで販売された作品が、購入者の手元を離れて売られ、それらが集まり売買される市場がセカンダリー(二次市場)です。売られる作品の多くは、美術オークション会社に査定を依頼して出品される「アートオークション」があります。アートオークションは国際的に開かれているSotheby’s、Christie’s、Philipsが有名です。国内ではSBIアートオークション、毎日オークション、シンワオークションなどが知られています。

最近ではヤフーオークション、メルカリなどのCtoCマーケットにも販売されているアート作品が多く見られます。美術オークション会社から出品されるアート作品は、査定を経て出品されますが、ヤフオクやメルカリは個人が直接出品出来る場所なので贋作などを掴む可能性もあるでしょう。注意が必要です。

美術オークションは実際に「下見会」が開催され、出品作品を見ることが可能です。

セカンダリーは、転売品のようなイメージが想起されますが、美術品に中古という考えはありませんし、思わぬ安値で買えたり、自分の探している作品に出会える機会があります。

入札時は冷静になりましょう

アート作品は、世に出た時点で、プライマリーもセカンダリーも関係なく、一つの「作品」として扱われます。これまでの美術史も人の手を渡ってバトンのように受け継がれてきました。

プライマリー、セカンダリーを問わず、アートコレクションを是非楽しんで頂ければと思います。