あいちトリエンナーレ2019
あいちトリエンナーレ2019で弓指寛治さんの作品を鑑賞しました。
会場は、四間道、円頓寺エリアの円頓寺本町商店街内「メゾンなごの808」です。
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弓指寛治さんは、母が自死してしまう不幸をきっかけに、死者への鎮魂や、亡くなった人を核に多様な視点を提示する絵画作品を発表している美術作家さんです。
弓指寛治「輝けるこども」
あいちトリエンナーレ2019は、センセーショナルな方向で話題となっていますが、弓指寛治さんによる本展「輝けるこども」のような、心を大きく揺さぶられる作品の情報が前に出てこないことがとても残念に思っています。本展は、交通事故で犠牲になった子供たちを中心に据えた、弓指寬治さんの丁寧な取材と作品によるアート作品です。
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メゾンなごの808
本展は、2011年4月18日に栃木県鹿沼市で起きた、通学中の児童の列にクレーン車が突っ込み、6名の児童が死亡した事件がテーマになっています。
特徴的なアプローチとしては、被害者だけでなく、被害者、加害者の親それぞれに取材して描かれている点です。展示作品を通じて、交通事故の悲劇を鑑賞者へ伝え、私たちの交通マナーを啓発していくメッセージも含まれていました。
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発表されている作品の犠牲者は実名表記です ※本展に限らず実名報道済
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弓指寬治さんの作品は、その色使いが明るく、事故の悲劇を直接的に作品へ投影することはありません。
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展示風景
一方で、事故に直接的に触れるものについては、メッセージや取材の経緯などが文章で紹介されていて、関連した関係者の言葉や思いが明らかにされていきます。
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実際に交わされた手紙の展示
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子どもの成長を思う親の目線で描かれた作品
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犠牲になった子供たちの肖像画
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日常の生活を描いた作品が、私たちに問いかけてきます。
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車を中心とした日常の風景画
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加害者の親のコメントもありました。
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展示室の後半には暖簾のように吊り下げられた作品を抜けて出口まで進んで行かなければなりません。
※天井付近から撮影
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キャンバス作品をめくりながら前に進んでいくことになります。
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弓指寬治さんのメッセージも掲示されていました
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次々と目の前に立ちはだかるキャンバスは、自動車に惹かれるような疑似体験に繋がっていきました。
1つの交通事故によって、多くの人の人生や想いが交錯することの重さを感じました。
弓指寬治さんの作品が表現するものや展示意図が明快にこちらに伝わってきて、その意味を真摯に考える機会となりました。
素晴らしい展示作品です。アートのチカラを感じました。
概要
あいちトリエンナーレ2019
テーマ:情の時代(Taming Y/Our Passion)
芸術監督:津田大介(ジャーナリスト/メディア・アクティビスト)
会期:2019年8月1日(木)~10月14日(月・祝)[75日間]
主な会場:
愛知芸術文化センター
名古屋市美術館
名古屋市内のまちなか(四間道・円頓寺地区など)
豊田市(豊田市美術館及びまちなか)
主催:あいちトリエンナーレ実行委員会
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