束芋「Ghost Running」
束芋さんの版画作品展「Ghost Running」に伺ってきました。会場はアーツ千代田3331の2階、ギャラリー・キドプレスさんです。
「版画用語で本刷りの後、残ったインクでもう一枚刷ることを『ゴーストをとる』というらしい。
その言葉は、見えない何かを捕まえるような、そんな幻想的な行為が小さな工房で行われていることを想像させてくれた。
本刷りでは見えなかったイメージをゴーストは見せてくれる。
ゴーストが与えてくれたイメージを、銅版で削り出す。
そのイメージとゴーストが重なったとき、見えてなかった現象を可視化できたような気がした(束芋)」
本展の出品作品は版画ですが、全てがユニークピース(1点もの)です。
上記のステートメントにもあるように、インクを載せるのは1回だけ。2回目、3回目の「ゴースト」と呼ばれるものを同じ版で最大3回まで刷った作品が展示されていました。
下の作品は左から1回目、2回目、3回目刷り色が変化していることが分かります。
色の感じが変化していることが分かります。それぞれタイトルが付けられ、ユニークピースとして販売しているのです。
人体のイメージ部分にはジェルメディウムが塗られていたり、膠でツヤ感を出した処理なども施されていて、にっさいに目で見るとその質感にゾワゾワしてきます。
モチーフは体の一部が立方体に埋め込まれているように描かれています。
束芋さんらしい作品でエネルギーを感じます。素晴らしい作品でした。
なお、本展で展示出来なかった作品を集めた2回目の展覧会も開催されました。
以下よりご参照ください。
概要
束芋 / Tabaimo
Ghost Running
会場:キドプレス (アーツ千代田3331内)
会期:2019年4月27日(土)〜5月26日(日)
時間:12:00〜19:00
休み: 月曜・火曜
オープニングレセプション:4月27日 (土)18:00〜20:00
協力:ギャラリー小柳