【個展】静と動が同居した勢いのある肖像画作家〜佐藤誠高「DUAL」@みんなのギャラリー

佐藤誠高さんの個展「DUAL」にお伺いしました。会場は上野の「みんなのギャラリー」です。

木のぬくもりが温かな施設の2階にある「みんなのギャラリー」

「DUAL」という個展タイトルに表現されているように、人間の二面性を表現するような作品が展示されています。
藝大のデザイン画を卒業された

佐藤誠高「DUAL」展示風景

政治家の表裏を揶揄するような吉田内閣をモチーフにした小品

作品は鉛筆のデッサン画をベースにした上からアクリル絵の具で重ねるように顔の中心部分を隠すように塗られています。

《Party》2018年 アクリル・鉛筆・紙・木製パネル

《Party》※部分 口元の上部には重ねる絵の具を意識したような影が事前にドローイングされています。

《Complete Woman》2018年 アクリル・鉛筆・紙・木製パネル

鉛筆のデッサン部分は精緻で、高いデッサン力をお持ちのようです。

《Complete Woman》※部分 高いデッサン力

《Complete Woman》※部分 塗り重ねられている絵の具の下は、ある程度描き込んでいるそうです。

作品も出るの多くは、インターネット上で集められたファッションモデルが多いそうです。

佐藤誠高「DUAL」展示風景

DMにも採用された作品《Serious Girl》2018年 アクリル・鉛筆・紙・木製パネル

《Yalta》2018年 アクリル・鉛筆・紙・木製パネル

《Cerebration》2018年 アクリル・鉛筆・紙・木製パネル

佐藤誠高「DUAL」展示風景

展示作品中唯一の油彩作品は、2016年の作品でした。

《Portrait of a Woman 3》2016年 油彩・カンヴァス

 

本来見えるものが見えない状態で提示されたときこそ、真の姿をイメージすることが出来るのでしょうか。

精緻なデッサンの上から暴力的な絵の具が勢いよく動いている作品は、私たちが意識せず振る舞っている2面性を想起させ、重要な気づきが含まれているようです。

筆者は、私自身のポートレートを描いていただきたいと思いました。
今の自分をキチンと模写し、その上から絵の具で破壊するように今の自分を否定し、上書き保存によってそこに存在するDUALな自分を見てみたい、新しい自分を見てみたい・・・というような思いに駆られました。

概要

佐藤誠高 個展「DUAL」
会期:2019年1月17日(Thu) 〜2月3日 (Sun)
時間:13:00 – 19:00
Closed (閉廊日) : 月曜〜水曜日
・1月18日 (Fri) Reception Party 18:00 – 20:00
・2月3日(Sun) Last Day Open 13:00 – 18:00