【個展】会田誠「GROUND NO PLAN」※ご本人解説メモ付

制作助成事業@大林財団

公益財団法人「大林財団」の制作助成事業というのが本展覧会の背景です。支援事業として成立しているため、入場無料のイベントですが、テーマは「都市のビジョン」ということで、30名ほどの候補アーティストから選抜されたのが会田誠氏。

重要なところなので公式サイトより下記の引用させて頂きます。

当財団は、今年度から《都市のヴィジョン-Obayashi Foundation Research Program》という助成制度を開始しました。これは、2年に1度、豊かで自由な発想を持ち、さらに都市のあり方に強い興味を持つ国内外のアーティストを5人の推薦選考委員の推薦に基づいて決定し、従来の都市計画とは異なる視点から都市におけるさまざまな問題を研究・考察し、住んでみたい都市、新しい、あるいは、理想の都市のあり方を提案・提言していただくというものです。アーティストが都市をテーマに研究・考察する活動を支援する助成制度は他に類を見ず、その意味でユニークな試みであります。

<中略>

この新しい助成制度によってアーティストが提唱する都市のあり方が、都市に関する他のさまざまな分野で活躍する専門家の方々に新しい視点をもたらし、都市研究全般がますます発展していくことを期待しています。

2017年10月吉日

公益財団法人 大林財団
理事長 大林剛郎

そういった公共的な取組は陳腐で面白みのないものになることが普通ですが、会田誠氏を選んだ審査員の目利きに応えるように、会田誠氏本人のパフォーマンスはパワー溢れるものに結実。素晴らしい展覧会となったのでご紹介したいと思います。

なお、本記事は個展の2日目に六本木ヒルズで開催された会田誠氏本人によるプレゼン時のコメントも含めてお届け致します。

小さな入口だが、地下2フロアの広いスペースで展示された。

会田誠「GROUND NO PLAN」

表参道の交差点からほど近いビルの地下2フロアが展示スペース。通常のギャラリーではなく、オフィスビルのテナントを使っているところの面白さを感じながら入場します。

入口に掲出されていた本展覧会のステートメント

入場するとイヤでも目を奪われるのが「Shaking Obelisk」という機械式に動くモニュメント。クネクネと機械音を発しながら動くモニュメントは、私たちの日常や既成概念を振り払うかのように一生懸命激しく動き回っています。

 

Shaking Obelisk ジオラマ

あまりに激しく動き過ぎたのか、再訪した会期中盤の2月18日には下記の写真のような状況でした(笑。

むなしく表記される「故障中」の表示

東京都庁

下写真の「東京都庁はこうだった方が良かったのでは?の図」は、発注側の会田誠氏から山口晃氏へ設計図が渡されていました。

「東京都庁はこうだった方が良かったのでは?の図」

設計図の通り描かれた作品がこちら。なんと会期中に仕上がっていないという作品です。※会期後に完成されるそうです(会田誠氏談)。

良く見るとヘリポートがありますね。

エスカレーター部分もコミカルに表現されています。

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