【開館30周年記念展】内容充実!「ザ・ベスト・セレクション」@名古屋市美術館

ザ・ベスト・セレクション

2018年で開館30周年を迎えた名古屋市美術館の記念展「ザ・ベスト・セレクション」に伺ってきました。
名古屋市美術館は、1988年4月22日に開館した美術館です。

名古屋市中区の白川公園内にある美術館で、建物は建築家黒川紀章の代表作として名高いものです。

東京から新幹線に乗って遠路伺ったわけですが、これがもうタイトル通りに「BEST!」な布陣の作品が数多くあり、非常に良かったです。

入口はこじんまりしています。土曜日の開館タイミングで人は少なく見やすかったです。

名古屋市美術館のこれまでに収集した美術品の総数は6000点以上、シャガールやモディリアーニ、草間彌生、藤田嗣治など、名古屋市美術館の個性的なコレクションを代表する美術品の数々を一挙に見ることができました。

メインビジュアルにも採用されている、モディリアーニ《おさげ髪の少女》は、名古屋市美術館が収蔵作品の目玉として、開館前々年の1986年に購入した作品で、当時の購入価格は3億6000万円というものでした。エコール・ド・パリの作品は他にも多く展示されていました。

アメデオ・モディリアーニ《おさげ髪の少女》1918年頃

さらに、日本ではここ名古屋市美術館でしか見られない、メキシコの画家フリーダ・カーロの絵画《死の仮面を被った少女》 の展示も有り、心に残る展覧会となりました。

フリーダ・カーロ 《死の仮面を被った少女》 1938年 名古屋市美術館蔵

展示作品の多くはアクリル板が無い状態で額装されており、照り返しの無いリアルな絵肌が至近で見られて驚きました。マチエールを直接リアルに鑑賞出来る状態で展示され、間近に作品と向き合う事が出来ました

マリア・イスキエルド《旅人の肖像(アンリ・ド・シャティヨンの肖像)》1940年頃

河原温、北脇昇や川合玉堂などの地元出身作家もきちんと展示されています。

北脇昇《春に合掌す》1942年

川合玉堂《秋嶺白雲》1940年頃

コンスタンティン・ブランクーシ《うぶごえ》1917年(1984年鋳造)

また、常設の展示も非常に充実していて、アンゼルム・キーファーの《シベリアの王女》や地元出身である河原温の代表的なシリーズ《”Today” Series》も15作品一挙展示され、見応えのある内容でした。

常設展の入口〜レッド・グルームス《ウールワース・ビルディング》1975-1976年

ジョナサン・ボロフスキー《ハンマリングマン》もしっかりと動いておりました。

アレクサンダー・コールダー《ファブニール・ドラゴンⅡ》 1969年

混雑も少なく、ゆったりと鑑賞出来る素晴らしい展覧会でした。
東京上野で同時期に展開しているフェルメール展やムンク展など人気のブロックバスター展も良いですが、混雑を回避してゆったりと名作を楽しむ見方もあるはずです。
芸術の秋にオススメの展覧会です。

概要

展覧会名|名古屋市美術館開館30周年記念 ザ・ベスト・セレクション
会期|平成30(2018)年10月6日(土)-11月25日(日) [44日間] 開館時間|9:30-17:00、祝日を除く金曜日は20:00まで(入場は閉館の30分前まで)
休館日|月曜日(休日の場合は直後の平日)
会場|名古屋市美術館 企画展示室1・2
主催|名古屋市美術館、中日新聞社
後援|愛知県・岐阜県各教育委員会、名古屋市立小中学校PTA協議会
協力|名古屋市交通局
観覧料|一般700(500)円、高大生600(400)円、中学生以下無料
( )内は20名以上の団体および前売料金