【コレクターズ展】購入動機と額装チェックが楽しい!〜ワンピース倶楽部展vol.11「はじめてかもしれない」@アーツ千代田3331

ワンピース倶楽部展

ワンピースという団体があります。最低1年に1つのアート作品を購入することを決意したアートを愛する人達の集まり、と言う会の趣旨に賛同した人たちの集まりだそうです。毎年1回のコレクター展と言うことで、1年間に集めた作品の展示です。Vo.11、と言うことで11年目に当たる展示会でしょうか。これがとても楽しめる内容でしたのでご紹介したいと思います。
会場はアーツ千代田3331、広くて快適なギャラリーです。

作品

各作品はキャプションが統一化されていて確認しながら見る楽しさがありました。キャプションに掲載されている情報は、作家名、作品名、購入先、購入動機が並んでいて、売約済みを示す「赤丸シール」が貼られているのが特徴的です。

筆者が惜しくも入手できなかった作品が並んでいてビックリしました。田中武さんの作品、良いですよね!キャプションには、出来れば制作年や素材の記載が欲しかったです。

田中武《木瓜雀遊戯図》日本橋タカシマヤ美術画廊X 購入動機:構想力がユニークで技巧も確かな作家

 

牧田愛《crowd 2017》レントゲンヴェルケ

キャプションがユニークでこれを見る楽しみがありました。作家とギャラリーのサイトへリンクするQRコードにアート業界へのリスペクトを感じました。

劉致宏さんの作品、これは素敵でした。

リウ・ジーホン(劉致宏)《The Wing Hug 2》nca日動コンテンポラリー 購入動機:ワインディングロードをバイクで飛ばしたときの後ろに飛んでいく風景描写に風を感じてしまった。

 

石黒昭《Painting of marble 9 march 2018 》大理石の絵が以前見て良いなと思っていたが、最近気になった抽象画と同じ作家と分かり迷わず購入。

山口藍《4作品》mizuma art gallery〜現代的で有りながら古典を感じられるところ。現代の夢二だと思う

あ、私も購入した作品!と見つけたのが経塚さんの作品。この方は2作品購入されていました。

経塚真代《無題》3331アートフェア2018購入動機:経塚さんの作品は愛らしいけど可愛すぎない、どこか哀愁を帯びている。いつもは忘れている深い感情が呼び起こされる。

額装

筆者が期待していた本展の鑑賞ポイントは「額装」でした。
購入した作品をコレクターの皆さんがどの様に額装されているのか?コレクター目線で鑑賞させて頂きました。
意外にも額装されていない作品が多かったのが印象的でした。皆様あまりご興味がないのか?保管していて室内に飾っていないのか?は分かりませんが、額装派の筆者としては「額装を楽しむ」こともコレクターの醍醐味だと思っています。
幾つか見応えのある額装やアイディアを感じる額装があったのでご紹介致します。
※ギャラリーや作家自身が額装しているケースもあると思いますが、その点はキャプションにもありませんでした。

白木の角箱にマット紙をキラキラとしたゴールドなどの縁起良い紙を使っていて作品とベストマッチしていたのが下写真の作品です。

吉田真美《八雲》現代日本の芸術市場(ホテルニューオータニ)購入動機:八雲がかかる初日の出。初春のアートイベントで購入しました。

また、次の作品もマット紙に味のある紙を使っていて、作品と同じようなフレーム木を含めて綺麗な額装でした。

田中麻記子《不明》本人から直接〜2008年?はじめて購入して以来約10年のおつきあいです。麻記子さんの変化を見守ってきました。最近購入した作品を展示できればと思います。

山田悠人さんの額装は素晴らしいですね、作品とベストマッチしてます。

山田悠人《ホワイトアウト》GALLERY表参道ROJI 購入動機:既にコレクションしている廃墟シリーズの最新作なので

最も高額そうな額は片山真理さんの作品でした。この額はオシャレですよね。白色中心の作品がゴールドでピリっと生きています

片山真理《you’re mine #001》rin art association 発表当時は価格が高かったため諦めていたのですが、昨年の「初めてかも知れない」展で片山さんの作品を見て作品が欲しくなり、代表作である本作を購入しました。

少し残念だったのは次の作品。ピンク系中心のパステル色に木目の角箱は少し合わないかなぁと言う印象。自分だったらどうするだろう・・・、と考えてましたが無難なアクリルボックスsでしょうか。透明アクリルボックスは会場でもチラホラ見掛けました。

入江万理子《ミルテの花 謹呈》作家本人から直接 購入動機:昨年日南市でお見かけした入江さん。ひたむきなお姿を拝見し、いつか作品を頂戴したいと思っていました。HPにピアノが描かれた作品が掲載されており、大好きなシューマン《ミルテの花 謹呈》をタイトルにした作品をお願いできないかとご相談し、快諾頂きました。

立体作品も参考になるモノが何点か。経塚さんの作品は裏側から作品に直接金具で固定しています。アクリル保護などせずに、思い切った展示方式でした。

広い展示空間で自分のコレクション作品を披露できる機会は羨ましく感じました。

最近行ったコレクター展よりも作品数が多かったこともありますが、見せ方が楽しい展覧会でした。

概要

日程: 2018年09月07日(金)〜2018年09月09日(日)
時間: 7日(金)18時~21時、8日(土)12時~20時、9日(日)12時~20時
料金: 無料
会場: 1F メインギャラリー
第11期 東京ワンピース倶楽部展「はじめてかもしれない」を開催いたします。
第11期 ワンピース倶楽部の会員が、この1 年間で購入した現代アート作品の展覧会です。どのような出会いがあり、どのような思いで、どのような作品を購入したのか、ぜひご覧下さい。

■ワンピース倶楽部とは
現代アートマーケット拡大のために、楽しみながら、最低年に1作品(ワンピース)を購入する事を決意したアートを愛する人たちの集まり。現在、名古屋支部、関西支部、金沢支部、北海道支部、四国支部、九州支部があり、会員数は約150 名。

【三つのルール】
1、ワンピース倶楽部の会員は、一年の間に最低一枚、現存するプロの作家の作品を購入します。
2、ワンピース倶楽部の会員は、自分のお気に入りの作品を見つけるために、ギャラリー巡りや、美術館巡りなど、審美眼を高めるための努力を惜しみません。
3、ワンピース倶楽部の会員は、各年度の終了したところで開催される展覧会で、各自の購入作品を発表します。