【アートコレクターのお作法】額装の意外な盲点〜「裏ゴム」を付けて額縁を綺麗に正対設置しよう

額縁を飾る

絵画作品などを部屋に飾ると雰囲気が一気に変わっていきます。アートがある日常は生活に彩りを与えてくれます。当サイトでも様々な形でアート作品を飾る方法やオススメアイテムをお届けしてきました。今回は額縁を飾る際に「見落としがちな盲点」を解決する方法をお届けしたいと思います。

見落としがちな盲点とは、「額縁を壁に掛けると若干お辞儀した形になるという問題」です。
ワイヤーで吊り下げるにしても、壁美人などのフックで額を掛けるにしろ、構造的に必ず生じる問題です。

ギャラリーでも普通に見られる光景ですから、筆者もこの状態を「仕方ない状態で当たり前」と捉えていました。

美人画ボーダレス展(みうらじろうギャラリー)より。裏ゴムが無いため作品がお辞儀していますね。

額装店

今まで複数のギャラリーや額屋専門店で作品を額装して頂きました。

最近通っているお店で額装をお願いしたところ、こちらがお願いしていないのに裏ゴムを付けて仕上がってきたのです。これには驚きました。

裏ゴムを2コ付けるだけでピッタリと壁に密着し、垂直に額縁が矯正され、作品に正対出来るようになりました。作品がグンと良く映えるようになった印象です。※作品は網代幸介さん作品です。

裏ゴムは横からも見えない位置に取り付けられています。

下の写真は裏ゴムを付けた作品と付けていない状態の作品の比較です。明らかに見え方が違ってくることが分かります。

上:裏ゴムつきの額装作品 下:裏ゴム無し(作品は加賀温さん)

 

裏ゴムを付けるメリット

 

裏ゴムを付けるメリットを記してみました。

  1. 額縁が壁にピッタリと収まり、すっきりとした印象に変わります。
  2. 作品が垂直に立ち、視認性が良くなります。
  3. 額裏に一定の隙間が空き、風通しが良くなり湿気の軽減に繋がります。
  4. 「3」と同様に埃が付きにくくなります。
  5. 壁の保護にも繋がります。

小さな存在の「裏ゴム」ですが、良い点に繋がる要素が色々ありますね!

当サイト的には裏ゴムをオススメしますが、「額縁に穴を開けたくない」とか、「取り付るのが面倒」など裏ゴム否定派の方には別の方法もございます。

裏ゴム以外の対処法

ここでは、裏ゴム以外に対処する方法をご紹介したいと思います。額縁裏面の下部に何かを挟んで対処する方法です。
bur@rt「ぶらっとアート」的なオススメ方法は以前にもご紹介した「ひっつき虫」を活用する方法です。

「ひっつき虫」商品画像

「ひっつき虫」を必要な分だけ手に取り、必要量を調整しながら額縁裏に取り付けてゴム足の代替とする方法です。この方法ですとネジを必要としませんし、額縁を傷つけることもありません。

なお、この時に注意したい店はひっつき虫の「油分」が額縁や壁に移ってしまう恐れがある点です。それから接着が安定しませんので気がつくと落下している・・・なんて可能性もございます。面倒でも出来るだけ「裏ゴム」を使って行きたいですね。

まとめ

いかがだったでしょうか?

小さな一手間ですが、裏ゴムだけで額縁の存在感がグンとアップするでしょう。わずかな投資で効果が大きい額装の方法です。

黒色バージョンもあります。

ギャラリーで個展を開催される際には、展示側の作家さんも注意していきたいポイントではないでしょうか?額装をする作家さんが少ないためあまり気を使わない方が多いような気がします。作品がお辞儀している状態ですと、作品が綺麗に見えないことが多くありますので、ギャラリーさんと相談するなど、ご検討してみてはいかがでしょうか?