ミヅマアートギャラリー
市ヶ谷と飯田橋の中間地点にある「ミヅマアートギャラリー」さんにお伺いしてきました。
天井高のある空間で、周辺の環境も落ち着いていて、筆者の大好きなギャラリーのひとつです。
山口藍(Ai Yamaguchi)「今と古ゝに」
山口藍さんは江戸時代の文化や風俗を取り入れながら、古き日本の美を継承しながら作品を制作されている作家さんです。イラスト風にも日本画にも映る美人画を、ふとんキャンバスや板など独特の支持体を使って表現するなど、独自の世界観をお持ちの素晴らしいアーティスト。筆者の大好きな作家さんです。
今回はお伺いした日にご本人が在廊されていて運良くお話しすることも出来ました。
昨日オープンニングを迎えた山口藍展「今と古ゝに」は、6月9日(土)まで開催いたします。
この機会に是非ご覧ください。
<会期> 2018年5月9日(水)ー6月9日(土)
<開廊時間> 11:00 – 19:00
<休廊日> 日、月、祝日https://t.co/J2JcONYER1
画像:山口藍/オープニングレセプションの様子 pic.twitter.com/9JwNDLMxdE— Mizuma Art Gallery (@MizumaGallery) May 10, 2018
入口を入ってすぐの2作品は木に描かれた作品。綺麗にカットされたブビンガという木材を使用しています。
余談ですが、山口藍さん作品の英語タイトルは「日本語読みのローマ字表記」なんですね。
ギャラリーの入口を進むと、広い空間に作品が展示されています。良く見ると白い壁に何か描かれています。
良く見ると、歌が描かれているのですね。展示されている作品は和紙に墨とアクリル絵の具で描かれた作品が合計26作品ありました。
今回のステートメントを引用させて頂きます。
「今と古ゝに」
自分が何を求めてそれに追いつき表現しようとしているのかを考えていたとき、導かれるように中井正一著 「美学入門」を手にとりました。その中に綴られた言葉によって思考が具体的に解決されていきながら、長く描画するうちにえぐられたり削られたりし自然と表出したひとつの秩序のようなものを自分の中に得られたのではないかと感じました。
今展覧会名は同著の中(文字表記は『今とここに』)から引出してきた言葉ですが、つねに流れと調和し心地よく舟がするすると前進するように、人々の心に美しい印象として留まりながら止まらずに進む季節のように、今の自分がその秩序に乗ってここに思うことを軽やかに描いてみようと考え題名にしました。
そしてまた、作品が人々の言葉にならない感情を穏やかな景色に置換できれば幸せな事です。
山口藍
参考までに各作品20万円(税別)でした。
和室
展示空間として、和室を採用していました。
奥の小部屋
良く見ると、高い天井の傍らに和紙で作られた船が展示されていました。
この船に気がつく来場者はなかなかいないようでしたが、山口藍さんに伺ったお話ですと、ギャラリー中央に展示されている作品群の中にある「小さな船」と繋がっているようです。
今回の展覧会は、和紙や木、墨を中心とした日本的で細やかな表現方法の作品が中心に置かれていました。会場の中心に置かれたふわりとした小さな紙の舟と、高い天井付近に置かれた大きな船とを関連させ、ギャラリー全体を1つにまとめ上げているような山口藍さんの意図なのでしょうね。
インタビュー動画もご覧下さい。
概要
山口藍展「今と古ゝに」
会期:2018年5月9日〜6月9日
会場:ミヅマアートギャラリー
住所:東京都新宿区市谷田町3-13 神楽ビル2F
電話番号:03-3268-2500
開館時間:11:00〜19:00
休廊日:日、月、祝