アーティストがギャラリーに所属するために「するべきこと」と「やってはいけないこと」

アーティストがギャラリーに所属するために「するべきこと」と「やってはいけないこと」〜5人のArt Professionalに聞く

グローバルのアートメディア「art net」にて、「What Should Artists Do If They Want Gallery Representation? 」というニュース記事が公開されました(2022年2月10日付)。

アーティストがギャラリーへの所属を希望する場合どうすればいいのか?というテーマについて、5人のベテランアートプロフェッショナルが実践的なアドバイスを提供する記事です。

以下、5人それぞれの意見を簡単にまとめてみました。

 

Pilar Corrias(ロンドンのギャラリスト)

「私がアーティストを探すとき、アーティストが成功するために飛び越えなければならないさまざまな種類の輪があります」「私が求めるのは、これまでに見たことのないものです。そこに可能性を感じ、作品が発展していく道筋を見出さなければなりません”
彼女のアドバイスは、「大きく考えること」と語ります。「アーティストと仕事をするときは、その実践を支え、何度も何度も繰り返し、多くの人に話さなければなりません。そのため、作品に深みがあると感じる必要があるのです」と説明します。
アーティストの発掘に関しては、常にリサーチしていて、インタビューを読んだり、他のアーティストに話を聞いたりしています。
また、何をすべきかと同様に重要なのは、何をしないか、ということです。
他のアーティストのオープニングを利用して、ディーラーに自分の作品について話を持ちかけないことです。「私は勧誘や接触、特にアートフェアでの勧誘が好きではありません。私は忙しいのです」とコリアスは言います。

François Ghebaly(NYとLAのギャラリスト)

ロサンゼルスとニューヨークでギャラリーを経営しているフランソワ・ゲバリも同意見だ。「私たちには、情報を与えてくれる人々のネットワークがあります。アーティストの話をよく聞きますアーティスト同士の関係や、信頼できる人からの紹介で、関係を深めていくのが好きなんです。このビジネスでは、すべてが信頼の上に成り立っているのです」。

「継続的に練習を重ね、作品を作り、何らかの形で世に送り出すことが重要です」とゲバリー氏は言う。InstagramのようなSNSは、特にロックダウンの間、アーティストが露出するためにとても役に立ちましたが、コミュニティや観客の仲間を巻き込み、できるだけ多くの人にリーチすることに繫がりました」。

Victoria Cooke(ガーナのギャラリスト)

「美大では、代理店やギャラリーとの仕事の実際についてほとんど教えていないようなので、いつも驚かされます。経験豊富な友人や指導者に話を聞いたり、ギャラリーの誰かに話を聞くように頼んでみてください。イベントに行ったり、人に会ったり、賞に応募する活動を通じて、適切な人に紹介してもらえるかもしれません」。新しい才能を発見するための重要なツールとして、Instagram卒展を挙げています。

Ceri Hand(Artist Mentor創設者、元ギャラリスト)

Ceri Handは現在の業務で、ギャラリストを説得するためにアーティストが信頼に足る人物であることを示す長い提案のリストを用意しています。
「作品をたくさん作ること、自分の作品のユニークさを明確にすること。新しい人々とつながり、スタジオに招き入れる習慣をつけること。社交的になること。オンライン・コミュニティを構築すること。作品の画像を共有したり、質問をしたり、フィードバックを求めたりしましょう。」
できるだけ頻繁に、できるだけ良い場所で展示することです。時代性を意識することも大切です。あなたの作品は、どのように今と関わり、また次の時代に貢献するのでしょうか?」と語ります。

前述したコリアスの意見と同様に、ハンドも「売り込みはやめましょう。ギャラリストと話す機会があれば、彼らのことを知り、好奇心をそそる質問をし、彼らが今、何に夢中になっているのか、何に興味があるのかを知ることです。」と語っています

Stephen Dunne(画家)

アイルランド近代美術館やロイヤルアカデミーなどで展覧会を開催している画家のスティーブン・ダンは語ります。
「ギャラリーがなくても、アーティストとしての仕事が無効になるわけではありません。私は、自主性はとても大切だと思います。多くのアーティストが間違ったギャラリーに所属しており、それが彼らのキャリアを阻害しているのです。実験をしないことが求められているのです”。つまり、この時代、ギャラリーに所属せず、自らDIYしてもいい場合があるのです。」

井田幸昌さんの所属するMariane Ibrahim Gallery;Mariane Ibrahim〜Raphaël Barontini and Mariane Ibrahim Photo: Nolis Anderson.

本記事を強引にまとめるとすれば、以下のようになるのでしょうか。

ギャラリーの所属を求めるならば、時代性を反映したアーティストとして沢山の作品を制作し、良いスペースでの発表を重ね、周囲との関係性にも配慮しながらSNSや卒展などの機会も逃さず、押し売りをしないでギャラリーとの関係性を作ること。また、自主性が損なわれるようなギャラリーであれば、所属をしないで自分でマネジメントしていく方法も考えられる時代である。

いかがでしょうか?

より詳細は内容は、以下の記事で確認してみてください。