【開館35周年記念展】現代美術作家たちによる所蔵作品の再解釈〜「Re construction 再構築」練馬区立美術館

練馬区立美術館開館35周年記念 Re construction 再構築

練馬区立美術館開館35周年記念「Re construction 再構築」に伺いました。

練馬区立美術館

展示室1

本展は、現代の作家とともに練馬区立美術館所蔵作品の再解釈を試みる企画展です。
参加4作家は、所蔵作品から選んだ作品から想起する新作を制作し、新たな視点を提案します。

展示室の冒頭はコレクション作品の展示からスタートします。

木村荘八《静物》1919年 練馬区立美術館所蔵

白髪一雄《文覚 滝の行》1972年 練馬区立美術館所蔵

流麻二果

流麻二果さんの展示室は、2020年に描かれたペインティング作品が7作品展示されていました。

日本の文化で、古くからモチーフにされている曲線の水辺が描かれたコレクション作品、松岡映丘《さつきまつ浜村》を展示。死を意識した際に感じる自然の色や光の強さテーマにした近作をあわせて展示していました。

松岡映丘《さつきまつ浜村》1928年 練馬区立美術館所蔵

展示風景

展示風景

展示風景

展示風景

展示風景

青山悟

青山悟さんの展示室では、郭徳俊さんの《大統領》シリーズを取り上げ、ユーモアのある強い表現を重ねた作品を展示していました。

展示風景より〜郭徳俊《大統領》シリーズ 練馬区立美術館所蔵

青山悟さんが出品している作品の多くは、コロナ禍で期間限定として立ち上げた「Everyday Art Market」という企画からのものでした。

 

Everyday Art Marketは、アーティストである青山悟が、ささやかなアイデアを日々、即興的に刺繍したシリーズをオンラインで展示し販売するプロジェクトです。激動の世界が落ち着きを取り戻すまでの期間限定。商品はすべて一点ものです。〜Everyday Art Marketより抜粋

青山悟《息ができない》2020年

青山悟《旗と聖火》2020年

青山悟《ART IS AVAILABLE FOR PANIC BUYING(アート買い占めできます)》2020年 〜制作日:2020年3月31日 前回の反省を生かして刺繍の位置を修正。プラスチックリサイクルマーク付き。〜Everyday Art Marketより引用

青山悟《AMAZOM BOX》2020年 〜制作日:2020年4月20日 ささやかな実験のつもりが、何度も試作と失敗を重ねたあげくようやく完成した立体刺繍作品。下の箱は対象物であり、台座でもあり、発送の時の箱でもあります。自宅待機で通販生活が激しくなっている自分にとって、オブジェクト・オブ・ザ・マンス暫定1位。立体化は付属のクリップをお使いください。〜Everyday Art Marketより引用

青山悟《Wash Your Hands Patch》2020年 〜制作日:2020年4月21日 手洗いは大事です。ピコ太郎や嵐の動画も最高でしたね。〜Everyday Art Marketより引用

青山悟《Newsweek Relief》2020年 〜制作日:2020年4月28日 刺繍レリーフ作品。Everyday Art Marketに上げてる作品も35点を超えてきました。やり続けていれば当然どんどん懲りたくなってきます。もちろんこれは良いことなのですが、作品から軽やかさは減ってきます。ただ、いまのところは突き進むべきという判断が自分の中にあります。〜Everyday Art Marketより引用

青山悟《No Sense of Time Clock》2020年 〜制作日:2020年4月30日 ステイホームで時間感覚を失った時計」この作品の原案は友人の作家、雨宮庸介によるものです。上の一文と、2歳の息子さんにブンブン振り回された時計の写真を送ってきてくれたので、そのまま刺繍時計にしてみました。時計が3つ入っていて針がそれぞれ動きます。音が面白い。自宅待機中、本当に時間の感覚、曜日の感覚を失います。〜Everyday Art Marketより引用

展示風景

所蔵庫の扉を開けていた展示方式も印象に残りました。
タイマー設定で暗闇になると、蓄光糸が光る仕掛けになっていました。

青山悟《Map of The World(Dedicated to unknown Embroiderers)》2020年

青山悟《Light the Future Patch(再制作)》2020年 〜制作日: 2020年5月15日 電気を消すと未来が光る。※蓄光の糸で縫われている文字が暗闇で光ります。LEDの懐中電灯を付属します。〜Everyday Art Marketより引用

展示風景

冨井大裕

冨井大裕さんは小野木学さんの絵画とあわせて展示していました。

展示風景

展示風景

冨井大裕《board paper board(half origami) 》2019年

大小島真木

大小島真木さんは荒木十畝(じっぽ)作品他との展示により、自然観、生へのイメージの再構築を試みました。
とても、力の入った空間でした。

展示風景〜荒木十畝《閑庭早春》1922年 練馬区立美術館所蔵

大小島真木《エンタングルメント・ハート Entanglement hearts series》2020年

展示風景

上:大小島真木《胎樹 Fetus tree》2020年 下:大小島真木《ゴレム Golem》2020年

大小島真木《ゴレム Golem》2020年

大小島真木《ウェヌス Venus》2020年 ※Detail

大小島真木《ウェヌス Venus》2020年 ※Detail

 

概要

練馬区立美術館開館35周年記念
Re construction 再構築

会場:練馬区立美術館
会期:
【プレ展示】2020年7月8日(水)~8月2日(日)  無料 ※2階展示室のみ
【本展示】 2020年8月9日(日)~9月27日(日) 有料
休館日:月曜日(8月10日(月・祝)、9月21日(月・祝)は開館、8月11日(火)、9月23日(水)は休館)
時間:午前10時~午後6時 ※入館は午後5時30分まで
鑑賞料:
【プレ展示】無料
【本展示】一般800円、高校、大学生および65~74歳600円、中学生以下および75歳以上無料
参加作家:青山悟、大小島真木、冨井大裕、流麻二果