【アクリルスクラッチ】美術作家「蛇目」さんに注目!GALLERY COLLECTION@Whitestone Gallery‏

Whitestone Gallery‏

Whitestone Gallery(ホワイトストーンギャラリー)の銀座新館で行われている50周年記念企画「GALLERY COLLECTION」に行ってきました。

奈良美智さん、草間弥生さんという大御所作家の作品が多くラインアップレレているギャラリーの中、異彩を放っていたのが「蛇目」さんの作品です。

奈良さん、草間さんの作品に混ざっても「負けない作品」と言うことで選ばれた模様です。

蛇目

ギャラリーの方のお話しによると、蛇目さんは大阪在住の30代半ばの美術作家。アクリル絵の具を地層のように何層も重ね合わせて塗り、絵の具が乾いたあとに彫刻刀で削り、独特の色味を表現しているようです(アクリルスクラッチという技法)。

 

写真ではなかなか再現できませんが、間近で見ると断面が綺麗に削り取られていて、とても滑らかな質感です。同じように削っていると思われるのですが、隣合う場所でも現れる色が少しずつ変化を見せていて、模様の奥深さを感じられます。

タテ、ヨコ、ナナメと、作品を展示する向きを変えても楽しめる作品だそうです。ギャラリーの方に向きを変えて見せてもらいましたが、作品の向きによって表情を変え作品の深みを感じ取ることが出来ます。

また、同じような色合いの作品は3点ほど作るのが定番のようで、サイズ違いの作品も並んでいました。

蛇目さんは躁鬱の気があるようで、作品も蛇目さんご自身の状態によって変化していくこともあるとか。今回の展示作品は比較的明るい色が多かったため、躁状態で書かれた可能性が高いとか。

立体作品も1つ展示されていました。箱のように使うことは出来ませんが、裏返してみると、何層も重ねられた「地層」が確認出来て面白かったです。

孔雀のような色使いが眩しいです。

じっと見つめていると吸い込まれそうになっていきます。

作品は塗り重ねた分だけ盛り上がっていてモコモコしています。下はキャンバスではなくて板を使用しているそうです。

色合い

全体的な色合いは下記のような作品群を見ても分かるように様々な配色です。虹のような多色で構成されている作品もあれば、シンプルに分かりやすい配色で構成されている作品もあります。

ただし、赤色を多く使った作品はあまり無く珍しいとのこと。どうやら「赤色の絵の具は割高なのであまり採用しない」というのが蛇目さんの考え方のようです。面白いですね。

まとめ

アクリルスクラッチという面白い技法を使った作品制作手法ですが、手法の特異さにスポットライトが当たってしまいがちですが、それによって起こった美術作品としての素晴らしい完成度に目を奪われます。

今後は益々表現の幅を広げて、私たちの期待を越えるような新しいアプローチに期待をしてしまいます。

概要

ホワイトストーンギャラリー銀座新館
50周年記念 GALLERY COLLECTION
2017.12.08 – 12.28