アートコレクター訪問
本記事はアートコレクターのお宅に訪問してコレクションを拝見する企画です。
第4回目となる今回は、Instagramで展覧会訪問録やコレクション作品を投稿している@gutsurohiさんをご紹介したいと思います。
gutsurohiさんは、元美大生で、ペインターから、画廊勤務、広告代理店勤務を経て、現在は会社を経営する30代の男性コレクターさんです。
筆者とはコレクターの知人を通じて2019年の秋頃にお目にかかって以来交流させて貰っています。年末のコレクター忘年会でお宅訪問を打診し、今回の訪問に至りました。
コレクターインタビュー
gutsurohi_さんは、3年前に竣工したご自宅に飾る作品を目的に、アートコレクションの世界に入ったそうです。元多摩美の油画出身で、画廊勤務のキャリアをお持ちで、美術に造詣の深い方でした。
- コレクター歴は?
約5年です - コレクションを始めたきっかけは?
自宅の建築設計を開始したタイミングです。 - コレクションのポリシーやこだわりを教えてください
自分と同世代のペインターが中心です。また、過小評価されていると感じた作家を特に応援したいです。
自宅の空間を最大限に活かすため、大型の作品を中心にコレクションしています。 - 最もお気に入りのアートピースは?
武田鉄平さんの作品です。マホクボタギャラリーでの個展が開催される1年ほど前から、ギャ
ラリーのバックスペースで作品を見せてもらい、物凄い作家が出て きた!と興奮したことを覚えています。個展開始前から問い合わせ が殺到していたようで、購入できるのか微妙でしたが、幸運にも自 分が最も気に入った作品を手に入れることが出来ました。 - 思い出深いコレクションエピソードを教えて下さい今津景さんの作品《 berlin 1943 – 1945》です。
2006年、貸し画廊で開催していた今津景さんの初個展を観に行きました。
その当時、作家活動をしていた私は、同世代の若手の中でも今津景さんは、将来凄い作家になるだろうと注目していました。
それから10年近く経った2015年。コレクションをすることを前提とした自宅の設計に着手したタイミングで、山本現代で今津さんの個展が開催されていることを知り、初めてのコレクションとして今津さんの作品を購入することを決めました。初個展から約10年経過した2015年のことです。 - 現在最も気になるアーティストは?
牧田愛さんです。
金属の部品などをモチーフにした超絶技巧の作家さんで、購入以前
4月にはニューヨークでの個展を控えており、これからとても楽しみな作家さんで
7. 期待の若手アーティストは?
多田圭佑さん、香月恵介さん、三瓶玲奈さんです。
8. リスペクトする(or気になる)アートコレクターは?
@sh_art_collectorさんです。
ほとんどのコレクターは、各々の好みやジャンルを絞って収集する
@sh_art_collectorさんのコレクションや、Instagramに投稿する鑑賞
9. お気に入り(行きつけ)のギャラリーは?
Maho Kubota Gallery 、ANOMALY、EUKARYOTE、Yutaka Kikutake Galleryです。
訪問を終えて
大型作品を中心にコレクションしており、年間の購入点数を数点ほどに抑えているコレクターさんです。
作品単独だけでなく、室内の空間を変えるチカラのある大型作品を飾ることで、生活とアートがバランス良く融合して楽しんでいる様子が伺えました。
壁さえあれば作品を飾るような筆者とは違い、白い壁のスペースが豊富にあるにも関わらず、空間の使い方を深く考慮した展示のアプローチでした。
最小限の作品展示数で、アートと居住空間を上手に見せているところがとても上手くて、印象に残りました。
gutsurohiさんは、以下のInstagramアカウントから、鑑賞した作品の紹介や、ご自身のコレクション作品を投稿しております。
素晴らしい作品と展示方法に加え、コレクションの軸が明確にあって、楽しく刺激的な訪問になりました。