あいちトリエンナーレ2019
あいちトリエンナーレ2019に伺いました。
直近ではVOCA展2019でも作品展示されていた石場文子さん。
愛知県立芸術大学で教育研究指導員を務めながら制作活動されています。
ひと目見ると日常の風景を写真で撮影した何気ない作品ですが、良く見ると写真のモチーフは立体的(3次元)なのに、視覚情報として平面的(2次元)に伝わってきます。
Artist Profile
石場文子(いしばあやこ)
1991年 兵庫県に生まれる
2014年 京都嵯峨芸術大学造形学科版画分野卒業
2016年 愛知県立芸術大学大学院美術研究科修了
愛知県在住
【主な展覧会】
2019年 「あいちトリエンナーレ 情の時代」
2019年 「IMA×Edition “STYLED IN PHOTOGRAPHY” vol.1 「写真を着る、言葉を纏う〜フォトグラファーと言葉によるTシャツコラボレーション〜」 IMA gallery(東京)
2019年 個展「次元のあいだ」児玉画廊(東京)
2019年 「VOCA2019―新しい平面の作家たち」上野の森美術館(東京)
2018年 「Pop-up Dimension 次元が壊れて漂う物体」児玉画廊(東京)
展示作品は、どの作品も平面的に見えますが、画像ツールなどでデジタル処理をしているわけではありません。
むしろその逆を行く極めてアナログ、原始的な方法で作られた作品です。
種明かしをすると、写真を子細に見れば分かる通り(実際に会場でご覧下さい)、モチーフとなるオブジェクト(物体)に対して、黒のマーカーを使って輪郭線を描いている(塗りつぶしている)からなんです。
いかがでしょうか?写真作品でありながらも、絵画的な作品ですね。
モチーフは極めて日常的な風景が多く展示されていました。
理由を聞くと以下のような答えが返ってきました。
筆者:モチーフに日常的な風景を採用されている意味や狙いなどはありますか?
石場文子さん:
現代美術が面白いと思ったのは、視点を変えるだけで日常のありふれた風景も違うものに見えると感じたからです。
学生時代に見た、地中美術館(直島)にあるジェームズ・タレルの作品「オープン・フィールド」は、色面に対する自分の意識が大きく変わりました。
例えば、横断歩道や街中のポスターなど、日常生活の風景の一部でも、もしかしたら奥まで続いているのではないか・・・?という楽しい妄想に繋がっています。
あまり意図して日常のものを撮影しているわけではないのですが、わたし自身が今の生活を作品を通して、楽しく解釈していきたいと思っているからだと思います。
作品と向き合いながら、自分の視覚や認識を確認するような鑑賞方法が楽しく、もっと沢山の作品を見てみたいと思いました。
なお、今後のスケジュールとしては、下記が予定されています。
・beyond2020の展覧会(9月下旬アムステルダム、11月上旬パリ、下旬に東京 IMA galleryで開催)
・さっぽろアートステージ2019(11月3日〜24日)にも出展予定です。
今後の活躍が楽しみな若手作家さんですね。
概要
あいちトリエンナーレ2019
テーマ:情の時代(Taming Y/Our Passion)
芸術監督:津田大介(ジャーナリスト/メディア・アクティビスト)
会期:2019年8月1日(木)~10月14日(月・祝)[75日間]
主な会場:
愛知芸術文化センター
名古屋市美術館
名古屋市内のまちなか(四間道・円頓寺地区など)
豊田市(豊田市美術館及びまちなか)
主催:あいちトリエンナーレ実行委員会