【個展】木原千春「Vitalism Ⅴ」@roid works gallery

Vitalism Ⅴ

湯島のギャラリー「roid works gallery」で行われている木原千春さんの個展を見にいったきました。roid works gallery所属の作家さんで、毎年1回個展を開いているそうです。今回は5回目の個展ということで、「Vitalism Ⅴ」と銘打たれています。

展示されている作品は肖像画が多く、猫やカラスなどの動物も含めてすべて「生きるもの」を対象に油絵の具で描かれた20余点の新作ペインティングです。
伺ったタイミングで運良く木原千春さんご本人がいらっしゃったので、詳しくお話を聞く機会に恵まれました。

特徴的なのは、指の腹や指の第1関節、第2関節、爪などを使って描いている技法です。

直接キャンバスに触れる感覚を大事にされていると言うことで、力強さや繊細さが表現されていてパワーを感じます。

金子みすゞさんやベートーベン、芥川龍之介、阿部定などの歴史上の人物をモチーフにしているほか、「Man」「Woman」など特定されていない肖像画も数点ありました。こちらはご自身を描いた自画像的な作品だそうです。

背景にシルバー(銀)を使った作品が幾つか見られました。色の使い方がお上手で、全体的なトーンがまとまりあって、整頓されています。油絵なのに和室に合いそうな上品さを兼ね備えていますね。

筆者が一番気に入ったのが、こちらの「花魁」。既に売約済みでしたが、これは素晴らしい作品ですね。

花魁

三代目大谷鬼次の江戸兵衛/元絵・東洲斎写楽

阿部定

小品

小さな額装された作品も展示されていました。1点約4万円ほどの販売価格でした。

いずれも可愛らしい額装された作品です。

まとめ

木原千春さんご本人は小柄で色白で澄み切った声色で、線が細くてか弱そうな女性と見えます。作品の力強さとのギャップに少し戸惑いますが、お話を伺うとしっかりと受け答え頂き、詳しく作品の説明をして頂きました。強い意志が少しずつ見え隠れして、好感の持てる作家さんです。

また、展示されていないドローイングも沢山見せて頂きました。描かれた線の微妙なタッチは指で描いたものと同様に、鉛筆などでも感覚的で、爽やかな風が吹いているような軽さがありました。

これからのご活躍に期待です!

概要

木原千春 Chiharu Kihara Vitalism V

2017年12月16日(土)~12月29日(金)

2018年1月4日(木)~1月8日(月)

11:00~18:00 会期中無休