【ダブル個展】坂本友由「伏し目の理由を探して目を伏せる」「あなたを見ているわたしを見ているあなた」@Art Lab TOKYO & Art Lab AKIBA

美術作家、坂本友由さんの個展に行ってきました。ギリギリで滑り込んだのが最終日の2017年12月24日のクリスマスイブ。浅草橋のアートラボ.トーキョー&アートラボ.アキバの2カ所(同じビルの同じフロア)を使った展覧会です。

入ってすぐのフロア、F10号「視力検査4連作」の作品から展示がスタート。若い女性を現代風に描写しています。可愛いらしい女性をシニカルに表現するのがスタイルのようで、女性の美しさだけに目を奪われてはいけません。

4連作のうち3つが売約済み(価格は@30万円)でした。他の作品も最終日と言うことで、8割方売約されている状況でした。

一番の大作(S100号)「ダイヤモンド」1,650,000円

美女系の作品はほぼ完売状態でした。

まとめ

綺麗な女性を理想を求めて描いたような作品。それだけにリアリティがなくて人間的な温かみを感じません。男性側のエゴがそのままキャンバスに投影されたようで、現実感がありません。それが理由なのか、キャンバスの女性から発せられる毒や痛みがこちらに向けて発射されているような印象。

女性側からの反旗のようなメッセージ性が含まれているようで、なかなか緊張感のある展覧会でした。

概要

坂本友由展
伏し目の理由を探して目を伏せる
2017年12月11日(月)~24日(日)
15::00~20:00 最終日~18:00 18日(月)休廊

アートラボ・トーキョー
<http://artlab-tokyo.com/exhibition/>

「できるだけ人と目が合わないようにしている。
理由は何かと問われると、理由は何かと問われないようにするためだ。
それでも覗いてくるものなら、道端に落としたんじゃないかと探していることにする。
あるいは、中指を立てる。
そんな様子を自分の頭上に立って俯瞰してみれば、いささか滑稽だ。
あるいは、みじめだ。
わたしがどんな風に見えているか考えるだけで、たまらなく恥ずかしくなった。
相手の目を見て話すとは言うが、もはや話すまでもあるまい。
それでも本当は面と向かって、それはそれは雄弁に語ってみたいものだったりもする。」
坂本友由

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坂本友由展
あなたを見ているわたしを見ているあなた
2017年12月11日(月)~24日(日)
15::00~20:00 最終日~18:00 18日(月)休廊

アートラボ・アキバ

現在、森アーツセンターギャラリーでの「THE ドラえもん」展で好評を博している坂本。
今回は従来のカワイイ系アートのみならずコンセプチャルな概念的なアプローチを見せる。私を見ているあなたを見る私というテーマである。

「あなたの目にはわたしが映っている。
わたしがそれを視認できるということはわたしがそれを見ているからで、同時にそれはあなたが見ているものでもある。
わたしの目にはあなたが映っている。
あなたがそれを視認できるということはあなたがそれを見ているからで、同時にそれはわたしが見ているものでもある。
あなたにはわたしがこんな風に見えているんだと分かった気がして、なんだか少し恥ずかしくなった。
相手の目を見て話すとは言うが、もはや話すまでもあるまい。
目は口ほどに、それはそれは確かに雄弁なものだった。」
坂本友由