【個展】VR時代の絵画を探求する〜木村翔馬「水中スペック」ザ・トライアングル(京都市京セラ美術館)

木村翔馬「水中スペック」

木村翔馬(Shoma Kimura)さんの個展「Full Lightness」が開催されました。
会場は京都市京セラ美術館の展示スペース「ザ・トライアングル」(本館地下1階)です。

京都市京セラ美術館「ザ・トライアングル」

木村翔馬さんは第4回CAF賞(2017年)の最優秀賞を受賞するなど、めざましい活躍で注目されている若手作家です。
特徴的な作品は、筆や絵具、キャンバスを用いた従来の絵画とともに、その絵画的ルールを取り入れた3DCG(3次元コンピュータグラフィックス)、VR(バーチャルリアリティ)による作品を制作していることで知られているアーティストです。

本展のタイトル「水中スペック」は、デジタル技術を水中での動きづらさに例えて形容されたものです。

木村翔馬「水中スペック」展示風景

本展ではVRのヘッドセットが用意されており、展示空間をVRで表現した3DCGの映像鑑賞をすることができます。

ヘッドセットはスタッフさんが付けてくれます。映像は行列対策により2分間だけの視聴制限が掛かっていました

ヘッドセットを通じて見える映像は、絵画のモチーフと似たオブジェクトが立体的に浮遊していました。映像鑑賞後の絵画を見ると、映像鑑賞前の作品とは違った印象が生まれました。

展示風景

展示風景

鑑賞者は自らが動きながら映像を楽しみます

ザ・トライアングルの1階は北西エントランスになっており、ガラスで囲まれたフリースペースになっています。ガラス面に施された絵具が陽の光に照らされ、輝きを放っていました。

ガラス面にライブペインティングで施された作品《透明の上に描く》※Detail

ザ・トライアングルの1階(北西エントランス)

デジタルと絵画の関係性を構築し、鑑賞者に新たな気づきを与えてくれる木村翔馬さんの表現に、今後も注目していきたいと思います。

概要

木村翔馬
「水中スペック」

会場:ザ・トライアングル(京都市京セラ美術館)
会期:2020年9月19日(土)〜 11月29日(日)
時間:10:00〜18:00
休み:月曜日 ※祝日の場合は開館
鑑賞料:無料