岡﨑乾二郎「TOPICA PICTUS こざかほんまち」
2019年11月から2020年2月末にかけて豊田市美術館で開催された個展「岡﨑乾二郎-視覚のカイソウ」。その記憶もまだ鮮やかななか、特集展示「岡﨑乾二郎 TOPICA PICTUS こざかほんまち」が開催されました。

個展の終幕とまるで機を合わせたように、その後、世界は想像もしなかったような危機と不安に陥り、岡﨑乾二郎さんは外に出かけることも困難ななかアトリエに籠り、3月から6月にかけて集中的に150点を越える絵画シリーズ「TOPICA PICTUS」を手がけました。
「世界にさまざまな場所があり、無数の考えるべき問題=トピック(アリストテレスによるTOPICA)があるように、絵画はそれぞれ固有の問題、特別の場所に向き合って制作される」と言います。それが「それぞれの絵を独自のものとし、その無数の場所のネットワークが世界を編み上げている」のです。












この絵画シリーズ「TOPICA PICTUS」は分割され、豊田市美術館のほか、時期をずらしながら複数の会場で分散的に展示されています(その全貌は、場所なき場所として、画集『TOPICA PICTUS』にまとめられ、そこでのみ見ることができます)。
ひとつひとつの絵画はそれぞれが固有の絵画であり、その事実に留まることによって、ここの場にありながら、別の場へと通じる、特別な場所を宿しています(会場で配布される、個々の作品に応じて記されたエッセイで、作品制作プロセスで起こった作家自身の思考の流れを知ることができるでしょう)。
無数の場所が世界を編み上げるように、各地に展示された絵が、それぞれの場所を現前させ、ネットワーク的に世界を立ち上げる。その特別な場所のひとつひとつに、この豊田市美術館の場で出会っていただければと思います。

※画像はすべて豊田市美術館より提供
概要
岡﨑乾二郎
TOPICA PICTUS こざかほんまち
会場:豊田市美術館
会期:2020年10月17日〜2020年12月13日
時間:10:00〜17:30(入場は17:00まで)
休館日=月曜 ※11月23日[月・祝]は開館
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