【個展】匿名性に宿る本質を探る〜菅原玄奨「anonym」 EUKARYOTE

菅原玄奨「anonym」

菅原玄奨(Gensho Sugahara)さんの個展「anonym」に伺いました。会場は外苑前のギャラリーEUKARYOTE(ユーカリオ)です。

EUKARYOTE外観

EUKARYOTEはこれまで、菅原玄奨さんの作品展示が何度も行われているギャラリーですが、今回が初の個展開催となります。

タイトルの「anonym」は、特定不明な古代の作家や匿名性を表す単語です。
1階から3階までのフロアを使い、菅原玄奨さんが行ってきたこれまでのキャリアを顧みる構成となっています。

1階フロア

菅原さんの代表的な彫刻1体が展示された1階のフロアは、都市の往来が行き交うギャラリー前の道路からも視認出来る空間です。グレーの塗装で固有の情報を取り払われた女性像が1体、360度好きな角度から鑑賞できるように展示されていました。

菅原玄奨《a girl 5》FRP 2020年 H870×W240×D200mm

どの角度から見てもイメージとして成立するように意識して制作されているそうです。
《a girl 5》は、浮遊感を感じされる彫刻ですが、実際にキチンと自立して展示出来るような全体バランスが計算されています。

菅原玄奨《a girl 5》

菅原玄奨《a girl 5》

菅原玄奨《a girl 5》

 

2階フロア

2階フロアは「mob」をテーマにしたフロアです。
レディメイドのカプセルやペットボトルと彫刻がパレットに並べられインスタレーションとして展開されていました。

展示風景

極力影を消すように設置された蛍光灯の照明

展示風景

菅原玄奨《picture #1》 2020年 picture H490×W400×D100mm

展示風景

菅原玄奨《stranger portrait #3》 2020 FRP, wood H430×W160×D200mm

3階フロア

3階フロアの展示は、ホログラム塗装を施し粘土の手触りの痕跡を強調したシリーズ《Ectoplasm》を中心に、ここ最近シリーズ化している《Tactile》シリーズが壁面展示されました。

菅原玄奨《Ectplasm(portrait) #0》 2019 FRP H540×W160×D170mm

展示風景

菅原玄奨《Tactile #15》 2020 resin H160×W200×D70mm

菅原玄奨《Ectplasm(portrait) #0》

菅原玄奨《Ectplasm(portrait) #0》

1階から3階まで、それぞれのテーマで構成された個展「anonym」。
計算された照明により、いつも以上に作品と空間が締まった展覧会となった印象です。

概要

菅原玄奨
「anonym」

会場: EUKARYOTE
会期:2020年11月6日〜 11月29日
時間:12:00〜19:00
休み:月曜日