【3人展】Ascending Art Annual Vol.3「うたう命、うねる心」スパイラルガーデン

Ascending Art Annual Vol.3「うたう命、うねる心」

 

スパイラルガーデンで開催の若手女性アーティストを中心に紹介する企画「Ascending Art Annual」にお伺いしました。

Ascendingとは「上昇」という意味で、スパイラルの建築空間が持つ「螺旋状に上昇していくイメージ」をアートで発信していく展覧会シリーズです。
株式会社ワコールが主催となり、現代を生きる女性の美に対する感性の向上に貢献し、「女性共感企業」の実現に結びつける目的です。

本展は大小島真木・川越ゆりえ・笹岡由梨子の3人のアーティストが参加しています。

大小島真木 Maki Ohkojima

大小島真木さんは、フランス・パリ水族館の個展「鯨の目」にて大規模なインスタレーションとして展開した、鯨をモチーフとした4作品に最新作1点を加えた展示です。
亡くなった鯨の身体が深海に沈み、生物に 食べられることによって形成される生態系「鯨骨生物群」に着目し、 アクリルやクレヨン、スプレーカラーなどの画材や、瀬戸内海・粟島の海辺で拾得したプラスチックや漁師の網などの人工物を用いて、命の循環や万物流転の様相をダイナミックに描き出しています。
直径約15mのアトリウム空間にたゆたう鯨作品のスケールはダイナミックです。

川越ゆりえ Yurie Kawagoe

金沢21世紀美術館主催、個展形式の展覧会シリーズ「アペルト」 の第7回展に出展された代表作《弱虫標本》(2013)や、背中に嫉妬心を表す赤いつぶつぶを持つ虫たちが並ぶ《嫉妬心の標本》(2015)を含む、近年の作品18点が展示されていました。
人間の嫉妬心や寂しさ、弱さといった、一見するとネガティブな感情を幻想性に富んだ虫の姿に置き換え、標本として並べ相対化しています。
人間の感情が昆虫の標本に擬態している様は、一見して非現実的ですが、赤い粒のようなモノが徐々に視覚を刺激してくるものを感じました。人間の心に蠢く感情が形を見せたときに現れる何かがあるとすれば・・・という想いに心が揺さぶられます。

笹岡由梨子 Yuriko Sasaoka

「Kyoto Art for Tomorrow2019─京都府 新鋭選抜展─」にて、最優秀賞を受賞したビデオ・インスタレーシ ョン《Gyro》を展示します。
私たち日本人は、「悪魔のしわざ」と 言っていいほどの甚大な被害をもたらす幾多の自然災害に見舞われながらも、自然を深く愛し、許してきたと語る笹岡。本作は「許す」ことをキーワードに、さまざまな宗教の悪魔をモチーフと した極彩色の世界が描かれています。

概要

Ascending Art Annual Vol.3「うたう命、うねる心」

出展作家:大小島真木・川越ゆりえ・笹岡由梨子
会期:2019年7月4日(木)〜7月23日(火)
時間:11:00〜20:00
会場:スパイラルガーデン(スパイラル1F)
入場無料