【個展】冴える展示スタイル〜「市川詩織「FUNNY BONE」@TAKU SOMETANI GALLERY

市川詩織「FUNNY BONE」

市川詩織さんの個展「FUNNY BONE」へお伺いしました。会場は浅草橋TAKU SOMETANI GALLERYです。

市川詩織 「FUNNY BONE」

ギャラリーに入って目に飛び込んでくる光景に驚きます。
白い布のようなものに作品を固定して上から吊り下げています。

生地には作品のクレジットが手書きの絵の具で描かれています

電車の中吊りのような展示方法です。
奇をてらった展示方法と思いきや、作品一つ一つを独立した空間で鑑賞出来るように区切られています。
作品と正対してひとつひとつの作品を正面から受け止めるような構造になっています。

頭がぶつからないように屈みながら移動します。

作家の市川詩織さんは、幼い頃から動物病院と近い環境でそだったそうです。
作品には動物や虫の視点で語られるメッセージが込められています。
私たち人間が考え付かないような言葉が含まれていて、作品と自分と第三の存在を重ねながら、世界観を受け止め想像するする楽しさがありました。

《ちゃっかり一泊しようとしている蚊》 2019年 紙にシルクスクリーン

《実験/人間を見るときの表情を実験された犬》 2017年 フィルムにシルクスクリーン

《あたたかい眼差しをあつめる発明家》 2017年 フィルムにシルクスクリーン

写真で再現しにくいかも知れませんが、キラキラとしたラメが含められている刷りが綺麗でした。

《思い出クイズで恥をかかされる犬》 2018年 紙にシルクスクリーン

《雑草のにおいガム/散歩しないでもいつも糞をする場所の雑草の匂いを味わえるガム》2017年 フィルムにシルクスクリーン

《動物セクハラ防止ポスター》2019年 紙にドローイング

《牛に対して申し訳ないと思わせるミルク》2019年 紙にドローイング

《出会いを待ち続ける人生を送るダニ》2019年 紙にドローイング

《美味しい血管運の蚊ガイド》2019年 紙にドローイング

展示風景

《ホログラムの骨を与えられた犬 No.2》2019年 紙にドローイング

《権利を主張する鳩の代表者》2019年 紙にドローイング

版画の刷りがとても綺麗な仕上がりでした。
水彩のドローイングも非常に上手さを感じる作家さんです。

多様なメッセージを含める作品と展示方法がフィットしているようで、心地良い展覧会でした。

概要

市川詩織「FUNNY BONE」
会場:TAKU SOMETANI GALLERY
会期:2019年6月4日(火)~6月30日(日)
時間:13:00〜19:00 ※月曜日休廊