【News】11年ぶりに日本の美術館での個展を開催〜ジュリアン・オピー(Julian Opie)東京オペラシティ アートギャラリー

ジュリアン・オピー(Julian Opie)

2019年7月10日〜9月23日まで、東京オペラシティ アートギャラリーにて「ジュリアン・オピー展」が開催されます。
本展は日本の美術館では11年ぶりに開催されるジュリアン・オピーの大型個展です。
前回は2008年、水戸芸術館現代美術ギャラリーで開催され、日本でのオピーの人気を決定的なものにしました。

Julian Opie《Julian》2012年

ジュリアン・オピー(1958-)は、イギリスを代表するアーティストの一人で、点と線という最小限の視覚言
語によって、生き生きとした人物像や風景を表現する作風で知られています。
作品の素材には、伝統的な絵画や彫刻の素材だけでなく、LED ディスプレイや看板など、私たちがふだん目にする工業製品も含まれます。ありふれた素材から生み出される真新しい視覚表現が、年齢や性別、文化的な背景を超えて、幅広い層に支持される魅力となっています。

Julian Opie《Running 1》2018年

オピーは1980年代よりヨーロッパのアートシーンで頭角を現し、その作品は世界の主要な美術館に所蔵され、現代美術を語るうえで欠かせない重要なアーティストのひとりです。
グラフィックデザインやピクトグラムともシンクロするオピーの平面作品は、絵画という枠にとどまらないハ
イブリッドな魅力に満ち溢れています。また、オピーは日本の浮世絵やアニメのセル画のコレクターとしても
知られ、輪郭線を強調した彼の特徴的な作風には、そこからの影響を感じることができます。

Julian Opie《Telephone》2018年

近年のオピーは、都市の通りを行き交う人々を表現した絵画や映像、都市のビル群やカラスの立体、田園風景や羊の彫刻、ジョギングする人々など、幅広い作品を制作しています。本展は、作家自選による絵画、彫刻、映像など、本展で初めて公開される新作を中心に構成し、ジュリアン・オピーの現在を紹介します。

Julian Opie《Towers 1》2018年

オピーの近作では、以前のような顔だけを描くポートレイトに代わって、人物の全身を側面から表現した作品が多くなっています。はっきりした輪郭線と透明感のある平明な色彩による表現は変わりませんが、顔はただ丸く描かれ、単純化、簡略化の傾向が強くなっています。
タイトルも同様に、刺青のある男性は《Tattoo》、ヘッドホンをして歩く女性は《Headphone》、携帯電話を手に持って歩く女性は《Phone》と簡素化されています。表現もタイトルも徹底的に抽象化されることで、世界中どこの都市にもみられる普遍的な人物が表現されているといえるでしょう。

Julian Opie《Walking in New York 1》2019年

LED によって動きを表した《Running 1》《Running 2》では、表現はさらに単純化されています。画面の中を忙しく走る人物たちはどこか滑稽に見えてきますが、それは慌ただしい現代社会に生きる私たちの姿なのかも知れません。また、会場内に BGM のように聴こえてくる音楽もオピーの作品の一部です。平面作品と立体作品に大胆に分けられた会場構成とともに、ジュリアン・オピーの最新の作品世界を存分にお楽しみください。

概要

ジュリアン・オピー Julian Opie
会期:2019年7月10日[水]〜 9月23日[月] 会場:東京オペラシティ アートギャラリー
時間:11:00 ─19:00(金・土は20:00まで/最終入場は閉館の30 分前まで)
休館日 :月曜日(祝日の場合は翌火曜日)、8月4日(全館休館日)
入場料 :一般1,200(1,000)円/大・高生800(600)円/中学生以下無料
※同時開催「収蔵品展067 池田良二の仕事」「project N 76 末松由華利」の入場料を含みます。
ウェブサイト: http://www.operacity.jp/ag/