【個展】触っても破っても良いアート〜Ouma「集合生命/Life Continuous」@Cité du Temps GINZA

最近よく耳にする話しのひとつが、展示されているアート作品が壊されると言うものです。
アート作品はデリケートに扱わなければならない、触るなんてもってのほか!というのは当たり前ですが、そんな常識が通用しない、むしろ積極的に触って壊しても良いという展覧会に行って参りました。

細胞アーティストOuma

細胞アーティストのOuma (オーマ)さんは元獣医師という異色のキャリアで、世界を渡り歩くアーティストです。

上海にあるグローバル企業の「スウォッチ/swatch」が運営するアーティストレジデンスで活動した縁で開催された個展です。

会場は銀座のSwatchグループビル14階。写真は地下1階のSwatch売り場のアートな入口です(作品はchocomoo)

筆者が伺ったのがオープニングレセプション。
大勢の関係者で賑わいを見せていて、本展の注目度が伺えました。
「細胞アーティスト」と言うことでレセプションで出た軽食のテーマも「細胞」にしているようです。世界各地のアーティストインレジデンスを経験しているOumaさんですが、どのアーティストも絶賛するのが上海にあるSwatch運営の施設“The Swatch Art Peace Hotel”です。

“The Swatch Art Peace Hotel”

この場所で半年間滞在制作したOumaさん、世界各国のアーティストたちとの刺激的な交流を熱く語っていらっしゃいました。

“The Swatch Art Peace Hotel”での制作風景

Ouma個展「集合生命/Life Continuous」

本個展の展示は銀座のど真ん中のビル14階の1フロアで展開されています。
フロアに入るといきなり大型の作品がめ煮飛び込んで来ます。

展示風景より

テグスでカーテンのように吊り下げられた複数素材をつなぎ合わせた袋のようなぶら下がっている支持体は、数々の細胞が構成する生命体です。

中に入って上を見上げた図です。

作品は触ってOK。生命体の中に入って沢山の色で彩色された作品を鑑賞することが出来ます。

さらに驚いたのが、作品を破ってもOKということ。
一部破れない素材もあるようですが、細胞の一部が傷ついても生命体への影響は限定的だと言うことなんだそうです。

実際に破ってみる人は恐る恐る素材を手にしていました。作品に使われている素材は何種類かあるようでした。

触ってはいけない作品もありました。次の写真です。
これは、世界各国を渡るOumaさんが、世界の空を撮影した画像をタイル上につなぎ合わせた作品です。

同じ空でも本当に色んな色があります。

ちなみに実際の空の色では無く、コンピューターで出力した色も混ざっているという遊び心もあります。

作品解説をするOumaさん

会期は10日間ですが、会期中に作品がどのように変化していくでしょうか?
変化していく過程も含めて「作品」であると語るOumaさん。現在は一時的に日本に滞在していますが、今後も舞台を世界に移して活躍されることでしょう。

まとめ   

展示品に触ることを良しとしない自分の頭とカラダをむりやり再教育して作品に触れてみました。新しい感覚です。
さらに、作品を破ってみました。「おっ!」と声が出るような新感覚です。紐のようにぶら下がったテープ同士を結んでみたり、作品に関与していくことで、作家のような感覚を得られたとなりました。
アートの新しい楽しみ方を教えてもらったようで、楽しい展覧会となりました。

概要

Ouma個展
集合生命/Life Continuous

期間:2018 年 11 月 2 日(金) – 2018 年 11 月 11 日(日) 開館時間:14:00~19:00(入館は閉館の 30 分前まで)
会場:Cité du Temps GINZA 中央区銀座 7-9-18 ニコラス・G・ハイエックセンター14F http://www.swatchgroup.jp/nicolas-g-hayek-center/about/
入場料:無料
※最終日 11 月 11 日(日)は 17:00 までの開催となります。 ※会期中は無休。
<Special Event 参加型ワークショップ>
Ouma と一緒に「細胞アート」を楽しもう!
11 月 4 日(日)14:30-18:00
11 月 8 日(木)16:00-18:00 (参加費無料、出入り自由)