THEドラえもん展 NAGOYA 2018
松坂屋美術館で開催されている「THEドラえもん展 NAGOYA 2018」へ伺ってきました。
現代アート作家の巨匠、若手注目アーティストのメンバーと盛り沢山お腹いっぱいのメンツで、作品もバラエティに富む内容で楽しませて頂きました。
ドラえもん展と言うことで、普段の美術館には見られない子供達が沢山いる環境というのも面白いですね。
しりあがり寿さんのアニメーションに歓喜の声を上げている子供の声が、ドラえもん展らしいBGMとして機能してなかなか良い演出効果でした。
ドラえもん展のコンセプトは、日本を代表するアーティスト28組による「あなたのドラえもんをつくってください」という作品テーマで構成された展覧会です。各作家さんの作品を見ていきましょう。
村上隆
村上隆さんのドラえもんは、村上さんらしく、いつもと同じようにぶれない作品です。とにかく沢山のドラえもんやのび太くんに会えます。
村上隆さんの作品は、そのまんま「ドラえもん」の世界です。
自身のキャラと並列に置くところが、ビジネス作家さんらしくて良いですね。
私はあまり好きな作家ではないので辛口コメントで恐縮です。でも、ドラえもんの世界を尊重しまくっていますので、入場して最初の作品としては無難な印象です。
![](https://i0.wp.com/burart.jp/wp-content/uploads/2018/10/2018_Doraemon2.jpg?resize=728%2C522&ssl=1)
会田誠
なんとも会田誠さんらしい、挑戦的な作品です。
![](https://i0.wp.com/burart.jp/wp-content/uploads/2018/10/2018_Doraemon5.jpg?resize=728%2C511&ssl=1)
《キセイノセイキ ~空気~》
キャプションが挑戦的で会田誠さんらしいですね。
![](https://i0.wp.com/burart.jp/wp-content/uploads/2018/10/2018_Doraemon6.jpg?resize=728%2C485&ssl=1)
作品名は《キセイノセイキ》。暗号のようですが、検索してみては?との優しいアドバイスが付いています。
ドラえもん展ですが…会場に掲示するのは野暮ってことで省略した解説を書いておきます。今回はちょっとだけハイコンテキスト。「キセイノセイキ」は2016年に東京都現代美術館で開催された展覧会、そこに出すはずだった小泉明郎さんの作品が「空気」。そこからタイトルとアイデアをもらいました。
— 会田誠 (@makotoaida) 2017年11月3日
こちらのTwitterでコメントのあるのがこちらの記事で書かれている展覧会です。
いわゆる「表現の自由」とそれを「規制する動き」の問題に触れているのですね。
また、筆者の見立てで恐縮ですが、描かれている透明なキャラクターは、その形状から静香ちゃんですね。
キセイノセイキは「規制の性器」と読めます。
会田誠さんは「小ネタのギャグ作品」としていますが、ドラえもんと言うキャラクターを使って、自身の主張を展開しているところはさすが!です。会田誠さんのエネルギーにはいつも感服します。
蜷川実花
写真家蜷川実花さんの作品はとても女性らしい作品で、「ドラえもんとデートする」と言う世界観を写真に収めています。
写真展示のみならず、アルバムに仕立て上げていて可愛らしいですね。
![](https://i0.wp.com/burart.jp/wp-content/uploads/2018/10/2018_Doraemon9.jpg?resize=728%2C485&ssl=1)
福田美蘭
福田美蘭さんの作品はさすがの実力派。画力が相変わらずスゴいですね。
![](https://i0.wp.com/burart.jp/wp-content/uploads/2018/10/2018_Doraemon11.jpg?resize=728%2C485&ssl=1)
福田美蘭さんの作品はもう圧倒的に「モネ それからの100年展」で見た作品が素晴らしかったです。興味あればご参照下さい。
山口晃
作品を一目見ただけで分かる作家は尊敬しています。山口晃さんもそんな作家のお一人。
![](https://i0.wp.com/burart.jp/wp-content/uploads/2018/10/2018_Doraemon12.jpg?resize=728%2C462&ssl=1)
《ノー・アイアム・デー》最高に良い感じの「のび太」でした。
鴻池朋子
ベテラン作家、鴻池朋子さん作品は大きな作品でした。
鴻池さんらしい大きな皮緞帳(かわどんちょう)に描かれた作品は、本物の毛皮でできた「四次元ポケット」が付いていました。
![](https://i0.wp.com/burart.jp/wp-content/uploads/2018/10/2018_Doraemon14.jpg?resize=728%2C485&ssl=1)
《しずかちゃんの洞窟(へや)》※部分
奈良美智
奈良美智さんの作品は1コーナーを占有していて、ドラミちゃんワールドが展開されていました。
詳細は下記記事をご覧下さい。
森村泰昌 + コイケジュンコ
![](https://i0.wp.com/burart.jp/wp-content/uploads/2018/10/2018_Doraemon16.jpg?resize=728%2C485&ssl=1)
森村 泰昌 + コイケジュンコ《時(ルビ:とき)を駈けるドラス》
![](https://i0.wp.com/burart.jp/wp-content/uploads/2018/10/2018_Doraemon25.jpg?resize=728%2C485&ssl=1)
左:森村泰昌&ザ・モーヤーズ《ドラス》※前回出展作
町田久美
![](https://i0.wp.com/burart.jp/wp-content/uploads/2018/10/2018_Doraemon19.jpg?resize=728%2C485&ssl=1)
《星霜》
坂本友由
最も印象的だった作品が坂本友由さんの作品でした。
作品は大きくて圧倒的な存在感でした。
梅佳代
![](https://i0.wp.com/burart.jp/wp-content/uploads/2018/10/2018_Doraemon20.jpg?resize=728%2C485&ssl=1)
《私の家のドラえもんの写真》
渡邊希
![](https://i0.wp.com/burart.jp/wp-content/uploads/2018/10/2018_Doraemon21.jpg?resize=728%2C485&ssl=1)
《タイムドラベル》
れなれな
![](https://i0.wp.com/burart.jp/wp-content/uploads/2018/10/2018_Doraemon26.jpg?resize=728%2C425&ssl=1)
れなれな《静かな決意》
山口英紀+伊藤航
![](https://i0.wp.com/burart.jp/wp-content/uploads/2018/10/2018_Doraemon29.jpg?resize=728%2C485&ssl=1)
山口英紀氏《ドラえもん ひみつ道具図典~タケコプター~》
![](https://i0.wp.com/burart.jp/wp-content/uploads/2018/10/2018_Doraemon27.jpg?resize=728%2C485&ssl=1)
伊藤航氏《タケコプター模型》
中里勇太
![](https://i0.wp.com/burart.jp/wp-content/uploads/2018/10/2018_Doraemon35.jpg?resize=728%2C487&ssl=1)
右:《選んだゆめときぼう》
山本竜基
![](https://i0.wp.com/burart.jp/wp-content/uploads/2018/10/2018_Doraemon32.jpg?resize=728%2C540&ssl=1)
《山本空間に突入するドラえもんたち》
篠原愛
![](https://i0.wp.com/burart.jp/wp-content/uploads/2018/10/2018_Doraemon30.jpg?resize=728%2C485&ssl=1)
《To the Bright~のび太の魔界大冒険~》
中塚翠涛
![](https://i0.wp.com/burart.jp/wp-content/uploads/2018/10/2018_Doraemon31.jpg?resize=728%2C485&ssl=1)
《光と影》
近藤智美
![](https://i0.wp.com/burart.jp/wp-content/uploads/2018/10/2018_Doraemon33.jpg?resize=728%2C485&ssl=1)
《ときどきりくつにあわないことするのが人間なのよ》
増田セバスチャン
![](https://i0.wp.com/burart.jp/wp-content/uploads/2018/10/2018_Doraemon34.jpg?resize=728%2C541&ssl=1)
《さいごのウエポン》
ご覧の通り著名な作家さんの大集合でした。
ここまで集まると気持ち良いですね!
動画の作品は撮影NGだったところが多かったですね。
概要
参加アーティスト:
会田誠、梅佳代、小谷元彦、クワクボリョウタ、鴻池朋子、後藤映則、近藤智美、坂本友由、佐藤雅晴、シシヤマザキ、篠原愛、しりあがり寿、中里勇太、中塚翠涛、奈良美智、西尾康之、蜷川実花、福田美蘭、増田セバスチャン、町田久美、Mr.、村上隆、森村泰昌+コイケジュンコ、山口晃、山口英紀+伊藤 航、山本竜基、れなれな、渡邊希
【東京展】
THEドラえもん展 TOKYO 2017
開催期間:2017年11月1日(水)~2018年1月8日(月・祝)※会期中無休
開館時間:10:00~20:00 ※入館は閉館の30分前まで
会場:森アーツセンターギャラリー
東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー52階
【高岡展】
THE ドラえもん展 TAKAOKA 2018
開催期間:2018年3月16日(金)~5 月6日(日)
月曜休館(ただし、3月26日、4月2日、30日は開館)
会場:高岡市美術館(富山県高岡市中川1-1-30)
【名古屋展】
THEドラえもん展 NAGOYA 2018
開催期間:2018年9月27日(木)~11月18日(日) ※会期中無休
開館時間:10時から19時30分(11/18は17時閉館)
会場:松坂屋美術館
(名古屋市中区栄三丁目16番1号 松坂屋名古屋店 南館7階)