【News】謎多き画家の魅力とは?〜オルセー美術館特別企画 ピエール・ボナール展

オルセー美術館特別企画 ピエール・ボナール展

2018年9月26日より東京・六本木の国立新美術館にて「オルセー美術館特別企画 ピエール・ボナール展」が開催されます。
「ピエール・ボナール展」(2015年)は51万もの集客を誇り、2014年に開催された「ゴッホ展」に次ぐ歴代企画展入場者数第2位を記録しています。日本ではそれほどメジャーでは無いような印象を受けますが、筆者だけの印象でしょうか?
そんな多くの人を魅了した、本展の見どころを5つご紹介します。

  1. オルセー美術館のボナール・コレクションが一挙来日!約30点の絵画は初来日
  2. 「日本かぶれのナビ」と呼ばれたボナールの日本美術への傾倒ぶりを紹介
  3. 見ることのプロセスを絵画化した「視神経の冒険」に迫る
  4. ボナールのミューズ、謎多き女性マルトが展覧会を彩る
  5. ボナールの愛した犬や猫があちこちに登場

イメージを掴んで頂けたでしょうか?
では、早速展示予定の作品をピックアップしながら、詳しく見ていきましょう。

ボナールさんご本人の写真も含みますが、なかなか一筋縄ではいかないような作家さんという感じがします。

ピエール・ボナール《黄昏(クロッケーの試合)》1892年 油彩、カンヴァス 130.5×162.2cm オルセー美術館  © RMN-Grand Palais (musée d’Orsay) / Hervé Lewandowski / distributed by AMF

猫などの動物をモチーフにした作品が多いピエール・ボナール(1867ー1947年)。現在、ハッシュタグ「#びよーん猫」を使ったインスタグラムのキャンペーンも展開されています。猫と4匹の犬を飼っていたボナールは、生涯で残した2,300点あまりの絵画のうち700点ほどに動物を描き込んでいました。

ピエール・ボナール《白い猫》1894年 油彩、厚紙 51.9×33.5cm オルセー美術館  © RMN-Grand Palais (musée d’Orsay) / Hervé Lewandowski / distributed by AMF

また、ボナールは、浮世絵の影響が顕著な装飾的画面により「日本かぶれのナビ」の異名を取っています。

ピエール・ボナール《庭の女性たち》1890-91年 デトランプ、カンヴァスで裏打ちされた紙(4点組装飾パネル) 160.5×48cm(各) オルセー美術館 © RMN-Grand Palais (musée d’Orsay) / Hervé Lewandowski / distributed by AMF

20世紀に入ると、目にした光景の印象をいかに絵画化するかという「視神経の冒険」に身を投じ、鮮烈な色彩の絵画を多数生み出しました。ぼんやりとした印象を与え、構図も遠近感も不可思議な作品です。

ピエール・ボナール《猫と女性 あるいは 餌をねだる猫》1912年頃 油彩、カンヴァス 78×77.5cm  オルセー美術館 © RMN-Grand Palais (musée d’Orsay) / Hervé Lewandowski / distributed by AMF

ボナール自身が写っている写真やボナールが撮影した写真も出展されます。ボナールさん、なかなかのイケメンじゃないですか!?

《ル・グラン=ランスの庭で煙草を吸うピエール・ボナール》1906年頃 モダン・プリント 6.5×9cm  オルセー美術館 © RMN-Grand Palais (musée d’Orsay) / Hervé Lewandowski / distributed by AMF

絵画だけでなく、リトグラフや写真など活動の幅は広かったようです。グラフィックアーティストとしても才能を発揮しています。

ピエール・ボナール《フランス=シャンパーニュ》1891年 多色刷りリトグラフ 78×50cm  川崎市市民ミュージアム

ボナールのリラックスした姿を見ることも出来ますよ。イケメンと思ったらシュールな写真が出てきて笑ってしまいました・・・。

《ル・グラン=ランスでロバのトロッティに乗るボナール》1903-05年 モダン・プリント 3.8×5.2cm  オルセー美術館 © Musée d’Orsay, Dist. RMN-Grand Palais / Patrice Schmidt / distributed by AMF

さまざまなジャンルの作品を通じて、謎多き画家ボナールの魅力に迫る展覧会になるとのこと。楽しみですね!

概要

「オルセー美術館特別企画 ピエール・ボナール展」
会期 2018年9月26日~12月17日
会場 国立新美術館 企画展示室1E
住所 東京都港区六本木7-22-2
開館時間 10:00~18:00 (金土~20:00、9月28日、29日〜21:00)※入場は閉館の30分前まで
休館日 火曜日
観覧料 一般 1600円 / 大学生 1200円 / 高校生 800円 / 中学生以下無料
11月14日〜11月26日は高校生無料観覧日(学生証の提示が必要)。