【取材記】香取慎吾アート企画「NAKAMA de ART」@帝国ホテルプラザ

※本記事はアート企画「NAKAMA de ART」の内容を含んだ記事ですのであらかじめご留意下さい。また、アート作品の見方は強制されるものではありません。実際に現地で感じたご自身の感覚こそ、アートの楽しみ方の神髄です。記事をご覧頂く方はあくまでも参考程度にご覧頂けましたら幸いです。

NAKAMA de ART

アーティストとしての活動に注目が集まる香取慎吾さんが企画した「NAKAMA de ART」の初日に伺ってきました。会場は帝国ホテルプラザの1階です。

「NAKAMA de ART」は、香取慎吾が13人の新進気鋭アーティストと繋がりたいという思いから開催が決定。アーティストそれぞれがコーディネートした多種多様な作品を展示。また、ギャラリー内にはカフェを併設し、アーティストたちの作品をコラージュしたオリジナルTシャツを販売しています。

オープニングパーティー

「オープニングパーティ」は小さい会場内という事情も含め、香取慎吾さんの登場も含めて公表されずに実施されました。通常ギャラリーで行われる美術作家の個展と同様に企画していたことは、今回の企画の趣旨も踏まえると納得出来ることですし、素晴らしい取組と言えるでしょう。

 

若手作家の活動の機会を提供して応援していくという趣旨に沿った企画だからこそ、オープニングのタイミングで香取慎吾さん自身が彼らアーティストと来場者との関わりを作っていくことは、アートに注目を集める役割を果たしていくことに繋がっていきます。

実際に参加アーティストのSNSは今までとは違った層の非常に注目を集めているようで、古くはSMAPファン、今では新しい地図ファンの一般的な女性層に現代アートへの入口を提供しているようです。

自撮り中にカメラ目線を頂きました。

香取慎吾さん作品

若手アーティストの作品は後述するとして、香取慎吾さんご本人の作品は長さ6mにも渡る大作「弱き強さ」です。アクリルやスプレーを使い、時にはご自身の手を直接キャンバスにぶつけながらカラフルに描いた力強い作品です。

会場内では5日間ほどで描いたという本作品の制作過程を映像で確認する事が出来ます。

モニター前には4名分の着席シートも用意されていました。

本作のタイトル「弱き強さ」の意味は、次にご紹介する作品と密接に関係していきます。

中までアート〜庵柔 Anju〜

「NAKAMA de ART」というタイトルは文字通り「中までアート」と言う意味を含んでいます。建築家「小嶋伸也」さんとのコラボ作品「庵柔 Anju」は会場内の中央に設置されていて、中に入ってアートを楽しむ事が出来るのです。

さきほどの「弱き強さ」と同じ視野の中に「庵柔 Anju」を置いてみると、下の写真のようにシンクロしている関係性が感じられることでしょう。

※上記写真はスライド操作でライティングの明暗を比較することが可能です。

小さい入口ですが、中に入ると意外に広いドーム空間。

作品内に設置されたタブレット端末で操作します。

タブレット操作によって上部の照明が反応し、変化していきます。

 

1つ1つは弱くて柔らかくて小さくて軽い物質達が、集まり結束することで強い空間を生み出す。今までの硬い建築は一度作るとなかなか変えられないという“重さ”があった。ライフスタイルは日々変わるのに、その生活を支える器に柔軟性が全くなかった。

「庵柔 Anju」は、‘柔らかい布で守る’という同じコンセプトの防災頭巾から着想した。レンガのように硬く形の変わらない素材ではなく、柔らかく動きのある素材で構成することで、上段へ積み上げる毎に、ある美しい規則性をもって頭巾の形状が変化していく。

〜 キャプションより一部抜粋

 

【「庵柔 Anju」スタッフ】
Executive Producer / 赤石 賢 (Nouvelle Vague)
設計協力 / 金子 宗一郎 , 斎藤しおり (以上、Nouvelle Vague), 磯野千紘(3Dモデリング)
構造設計 / 江尻建築構造設計事務所
照明演出計画 / 金子 宗一郎 (Nouvelle Vague)
施工/ Nouvelle Vague
写真/堀越圭晋 / エスエス

13人の若手アーティスト

今回参加したアーティストは13名の若手作家たち。実際に香取慎吾さんと面識や関係性があると言うことではなく、キュレーター「川勝小遥」さんによるところが大きいようです。

多様性があって幅広い参加アーティストがラインアップされた今回の企画。香取慎吾さんが作る作品「弱き強さ」をなぞるように、これから伸びていく若手アーティストが集まることによって、強い未来を創造していくことをメッセージしているようです。

 

仲間でアート

「中までアート」とは別に、「NAKAMA de ART」を意味するアクション「仲間でアート」の作品は床面に直接ドローイングされた作品です。

それぞれの個性がぶつかり合いながらも重なって融合しています。

13人と香取慎吾が作品によって仲間の関係性を構築し、それらを私たち来場者が確認することで、未来に繋がる1つの大きな繋がりが生まれていくように思いました。

 

概要

NAKAMA de ART
会期:2018年5月24日~6月24日
会場:帝国ホテルプラザ1階
住所:東京都千代田区内幸町1-1-1
開館時間:11:00~19:00
問合わせ:0570-022771(NAKAMA de ART運営事務局)※受付時間は11:00~18:00 (5月24日から。土日祝を除く)
参加作家:香取慎吾、磯村暖、蔡瑩臻、サスペンスガール、菅原玄奨、三宅律子、山脇紘資、吉田孝弥、よねもとよね、HIDEYUKI KATSUMATA、HIROTTON、MIZUKI、skydiving_magazine、Yul