【個展】秦俊也展「-THE PLANKTONS- Toshiya HATA」@JINEN Gallery

秦俊也(Toshiya HATA)

非常に面白い作品制作のアプローチを見させて頂きました。

1600年代、1700年代という遙か昔に存在していた本が、芸術作品としてわんさかと目の前に広がっている光景は、不思議な世界に迷い込んだ居心地でした。2017年の現代にある真っ白な壁のギャラリーに、威厳と、貫禄と、その当時に確かに存在した人達の気が伝わってくるようで、気が引き締まるようなおもいでした。

秦俊也さんは、古本を使った造形作家で、100kg200kgの圧で本を圧着して固めているそうです。なので、古本なのに木材のような塊が表現され、表面もコーティングされているのか、滑らかで艶やかな光を放っていました。

また、古本を固めたものに、金属や時計のパーツ、ルーペなどを組み合わせて表現しており、骨董品のように完成形として、作品化されています。

使用している本はソ連やフランスやイタリアなどヨーロッパを中心に、日本やモンゴルなど幅広く収集されています。

ギャラリーにはご本人が在廊され、一つ一つ丁寧に解説いただきました。まるで「リアル音声ガイド」のようです。

ギャラリー内の作品は、どれをとっても秦さんの作品テイストが含まれているようで、どんな本でも自分の作品として調理してしまうような個性が確かに強く存在しています。

作品リストを拝見してみると、どうしてその名前?っていうものが多くありました。とっても面白いネーミングで、ずっとお話を聞いてみたくなります。

作品数はとっても多作で、販売価格も2万円以下から5万円くらいのレンジに収まる作品が多くて手に入りやすいです。

私の気になった作品は下のルーペが取り付けられた作品。石のように強固に固まった本をルーペで読ませる作品です。

音が出る仕掛けの作品もありました。

作品は、秦さんが惜しげも無く簡単に手で取り扱っていました。その様が、頑丈に作られていることを表現しているようでした。

 

沢山ありすぎて買おうと思っている気持ちがまとまらず、1つを選べませんでしたが、またギャラリーに足を運んでみようと思える作品たちでした。

概要

JINEN Gallery
秦俊也展 -THE PLANKTONS-
2017年11月14日(火)〜11月25日(日)
〒103-0001
東京都中央区日本橋小伝馬町7-8 久保ビル3F

開廊時間:12:00〜19:00 ※金曜日20:00まで
※最終日16:00まで
休廊日:月曜日