【個展】坪山斉「symbolic」@Roentgenwerke AG(浅草橋)

ラディウム レントゲンヴェルケ

「hyper technik」(超絶技巧)、「solid shock」(固体衝撃)、「clever beauty」(才気ある美)とクレジットされた白い壁が印象的な「ラディウム レントゲンヴェルケ Roentgenwerke AG」。浅草橋駅、馬喰町駅からアクセス出来るギャラリーです。シンプルで、とてもオシャレな建物です。

そんなギャラリーに、少し前になりますが「坪山斉」さんの個展に行ってきました。

坪山斉

仙台で生まれ、福岡に在住される美術作家、坪山斉さん。登山地図に記されている「等高線」のように立体をとらえている描き方を作品で表現しています。いわゆる「ローレゾリアリズム」という解像度を下げた表現方法です。

The one Iris #4 / Hitoshi Tsuboyama

デジタル全盛の現代社会に抵抗するような、解像度を落として表現する手法。
描かれた「瞳」に映る色彩表現に心を奪われながら、低解像度だからこそ可能になった「想像力による表現」に想いを巡らせました。

The one Iris #5 / Hitoshi Tsuboyama

近くに寄ってみる一方で、離れてみるとまた違った作品に見えてくる面白さがあります。瞳が揺らめいていくようで、しばし釘付けになってしまいました。

レントゲンヴェルケ展示室

100号S(162cm角)の大型作品です。

瞳をさらに拡大した作品も展示されていました。いわゆる「トリミング」したような作品です。

Light #8 / Hitoshi Tsuboyama

作品

じっと見る中で、こちらの作品「The one Iris #2 」に魅せられてしまいました。

瞳を支配するマグマのような赤とオレンジは、人間のパッションやエネルギーを表現しているようです。一方で、少し覗く青い部分は冷たく落ち着いた側面的な部分。ニュートラルで空気を感じるホワイト。自らの感情を瞳に全投写し、こちらをじっと見つめてくる女性のように見えて取れるようです。

あいにく100号サイズの大型作品で、価格も100万円以上で手が出ません・・・。

The one Iris #2 / Hitoshi Tsuboyama

まとめ

「ローレアリズム」という非常に面白いアプローチによって実現した瞳(Iris)という表現は、私たち鑑賞者の想像力を刺激して、楽しめました。

情報量が少ないほど、想像力で補完する余地が生まれるのでしょうか?この手法でもっと沢山の作品を見たくなりました。

果たして今後どういった作品をリリースしていくか?興味は尽きません・・・。

概要

■展覧会名:symbolic
■出展作家:坪山斉
■会期:2017年9月22日(金)~10月15日(日)
close 水・木曜日
■営業時間:12:00-18:00
■会場:ラディウムーレントゲンヴェルケ
東京都中央区日本橋馬喰町2-5-17
■tel/fax:03-3662-2666
■URL:http://www.roentgenwerke.com/