名和晃平「生成する表皮」十和田市現代美術館
名和晃平さんの個展「生成する表皮」に伺いました。
会場は十和田市現代美術館です。
《Biomatrix (W)》
本展の目玉作品が《Biomatrix (W)》。
2018年にSCAI THE BATHHOUSEで発表された《Biomatrix》の別バージョンです。
前回の《Biomatrix》が白(White)に色が変わって作品タイトルに(W)が付きました。
コンピュータプログラミングで制御された前回の動きとは異なり、今回は制御無しで気泡がランダムに出来ては消えていきます。
また、セルの面積もかなり縮小され、動きも大人しく静か。
気泡がはじける音もかなり小さくて、可愛いらしくまとまっていました。
「前回のようなイリュージョンのようなものにはしたくなかった」という名和さん。
練乳のような質感のシリコンオイルで静かに見入ってしまいました。
展示空間にあわせたサイズ、展示位置を意識して制作されたそうです。
参考までに、SCAI THE BATHHOUSEで開催した個展時の記事と動画を載せておきます。
《PixCell-Deer#52》
もうひとつの目玉作品は、ご存知PixCellシリーズの鹿作品です。
個人コレクターのT氏より寄託された作品で、十和田市現代美術館の常設展に展示されている作品です。
ドローイング
さらに、2022年1月にギャラリーノマルで開催した個展で発表されたドローイング作品も展示。
20年以上も前の作品で、習字の朱液や鉛筆で描かれたドローイングをまとめた展示です。
《White Code》
糊引きしていない麻のキャンバスをゆっくりと動かし、絵具を落としていくことで作られる軌跡を表現した作品《White Code》。
作品数は少なく小規模の展示でしたが、《Biomatrix (W)》を見るだけでも価値のある個展でした。
展示の方法に改良の余地があるようにも感じましたが、常設展も含めてゆっくりと楽しめる美術館だと思います。
概要
(仮称)地域交流センター開館記念展
名和晃平
個展「生成する表皮」
会場:十和田市現代美術館
会期:2022年6月18日(土) – 11月20日(日)
キュレーター:見留さやか
※10月1日〜は「(仮称)地域交流センター」での展示も開始され、合計2会場での開催となる。