STARS展:現代美術のスターたち―日本から世界へ
森美術館で開催中の「STARS展:現代美術のスターたち―日本から世界へ」に伺いました。
STARS展は、2020年開催の東京オリンピックタイミングにあわせて企画されましたが、新型コロナウイルスの影響で、時期をずらしながら開催に至りました。
本展は、日本という枠を越えて広く国際的に活躍し、今日、多様な地域や世代から高い評価を得るアーティスト6名を選び、その活動の軌跡を初期作品と最新作をつなぐかたちで紹介するものです。
彼らの実践は世界からいかに評価されてきたのか。国境や文化を越えた普遍的な課題の追求、伝統や美学、テクノロジーやサブカルチャーなど、 日本固有の社会的、文化的、経済的背景を踏まえて探ります。
また、1950年代から今日まで、海外で開催された主要な日本現代美術展に関する資料も展示し、それぞれの時代の評価軸や系譜が検証されます。
奈良美智
初公開の15点を含む初期1980年代から近年までのドローイング約20点、コラボレーションなどで幅が広がった中期の代表的なインスタレーション作品 《Voyage of the Moon(Resting Moon) /Voyage of the Moon》(2006年 )、 新作《Miss Moonlight》(2020年)を含む大型肖像絵画、そして奈良さん本人の多様なコレクションなどが展示されました。
奈良美智
1959 年、青森県弘前市生まれ、栃木県在住。
ドローイング、絵画、彫刻などを制作している。子供、動物、植物などが頻繁に登場する作品群は、親しみやすさと神聖さ、無邪気さと残酷さなど、 一見相反する性格を共存させ、観るものの想像力を刺激する。日本の「かわいい」文化を体現するものと捉えられることもあるが、こうした不安定で力を持たない主人公たちは、辺境や境界で生きるものたち、権力構造を逃れる自由な精神の代弁者なのである。音楽への造詣の深さと 愛、ポップカルチャーと現代美術の接続を行うようなジャンルを超えたスタイルでも知られる。
1980年代後半に作家活動を開始し、1988年から2000年まではドイツを拠点に活動。日本に 帰国した 2000年には、シカゴ現代美術館やサンタモニカ美術館( 現インスティテュート・オブ・ コンテンポラリーアート・ロサンゼルス)で個展を開催するなど、欧米での評価を確実なものにする。2001年には国内初の大型個展が、横浜美術館を始め国内5都市を巡回し、2000年代には、 韓国、中国、台湾のみならず、東南アジアでも注目が高まり、2015年にはアジア・ソサエティ香港 センターで個展を開催。2020 年にはロサンゼルス・カウンティ美術館での大規模な個展、2021年には、ダラス・コンテンポラリーでの個展が予定されるなど、近年益々評価が高まっている。
作品点数は最も多かった奈良美智さん。
ご自身のキャリアやバックボーンを含めて見せる手法で、とても親しみやすい展示でした。
特に月夜をイメージした展示空間は、奈良さんの真骨頂なのではないでしょうか!
概要
STARS展:現代美術のスターたち―日本から世界へ
会場:森美術館
会期:2020年7月31日(金)~ 2021年1月3日(日)
時間:10:00~22:00(最終入館 21:30)※火曜日のみ17:00まで(最終入館 16:30)
※ただし9月22日(火・祝)、11月3日(火・祝)は22:00まで(最終入館 21:30)
料金:一般 2,000円、学生(高校・大学生)1,300円、子供(4歳~中学生)700円、シニア(65歳以上)1,700円
参加アーティスト ※姓のアルファベット順 草間彌生、李禹煥(リ・ウファン)、宮島達男、村上隆、奈良美智、杉本博司
※本記事で掲載した写真は「クリエイティブ・コモンズ表示 – 非営利 – 改変禁止 4.0 国際」ライセンスの下で許諾されています。
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