【グループ展】日米同時開催「5,471 miles」BLUM&POE（東京）

「5,471 miles」BLUM&POE

Blum & Poe で開催されていた展覧会「5,471 miles」に伺いました。

「5,471 miles」は、BLUM&POEの拠点であるアメリカと日本の2つの都市の物理的な距離で、それぞれの都市の近郊を拠点とする作家を主に紹介するという本展の趣旨から名付けられました。

「5,471 miles」BLUM&POE（東京）

2都市を会場として展開される国際的な展覧会でありながらも、パンデミックの影響で移動や輸送がローカルな領域の中だけに本質的に制限されてしまった現状とのパラドクスが、本展のキュレーション上のテーマです。本展は、一つの会場だけではその全貌を見ることはできないながらも、現地での展示作品、そこには物理的には存在しない作品、その双方によって等しく構成された極めてユニークな展覧会となっています。

展示風景

左：奈良美智《on the carpet》2019 Pen and color pencil on paper 37.5 x 29.6 x 3.7 cm
右：奈良美智《watching girl》 2019 Pen and color pencil on paper 37.5 x 29.6 x 3.7 cm

左：奈良美智《drumming girl》2019 Pen and color pencil on paper 37.5 x 29.6 x 3.7 cm
右：奈良美智《star on the finger》 2019 Pen and color pencil on paper 37.5 x 29.6 x 3.7 cm

左：奈良美智《ukulele girl》2019 Pen and color pencil on paper 37.5 x 29.6 x 3.7 cm
右：奈良美智《think about something》 2019 Pen and color pencil on paper 37.5 x 29.6 x 3.7 cm

菅木志雄《 Intervals of Existence Arising》 2020 Acrylic and varnish on wood 120x90x28cm

展示風景

中村一美《Mulberry Tree on a Solitary Island II》2016〜2018 Oil on canvas 160x130cm

石川順惠《Impermanence—Kobushi Magnolia》2020 Acrylic and sand on canvas 100x100cm

石川順惠《Impermanence—Tanjitsu》2020 Acrylic and sand on canvas 91x91cm

岡﨑乾二郎《野は緑、小鳥が歌い、露が輝き、煙がたち昇り、そこここに見えるのはみな「だれか」だった。光のなかで姿を現し姿を変える、心を打つものすべてはきっと「だれか」の所為。もし植物たちが感情を持たなかったら、地上を充たしている感覚も乏しく疎らとなるだろう。花の回りを飛び交う昆虫のかたちをした、心もきっと孤独のはず。森のなかを駈ける獣たちの目にも耳にも何一つ触れるものがない。けれど水たまりの前で、獣がにわかに渇きを覚えるとき、その渇きこそ「だれか」である。ハシバミの枝々は動き、日は西に沈む。潮かぜ海かぜ、何を求めてさまよい歩く。》2016 Acrylic on canvas 210.2×259.7×7.6cm

岡﨑乾二郎《さざなみが大海原に生じ、葉が木に生えるように、ぼくらは世界に生れた。さざなみは光を各々、別の斜面において捉え、煌めき、枝が動かずとも木の葉は戦ぐ(耳や目をそばだて)。それは目にも耳にも手にもまるで別の事件として生じる。然るに意識が世界を掴むとき体は引き潮のように背景に退く。わたしは言う(だから耳目に頼らず)起きなさい。》2016 Acrylic on canvas 73×91.4×6.4cm