加藤泉ーLIKE A ROLLING SNOWBALL
ハラ ミュージアム アーク(群馬県渋川市)で開催されている「加藤泉-LIKE A ROLLING SNOWBALL」にお伺いしました。
本展は原美術館(東京都品川区)でも8月10日から開催される同名の加藤泉の展覧会と時期を重ねて展開される企画で、初期作品から近作まで、未発表作品を含む145点によって、作家の四半世紀にわたる活動を網羅的に鑑賞することが出来ます。
展示会場は、ピラミッド型の屋根を持つ正方形の「ギャラリーA」、両翼に細長く伸びる「ギャラリーB」、「ギャラリーC」というシンメトリーを意識して配置された3つの展示室に加え、特別展示室「觀海庵」を含めた4つのエリアに分かれていました。
Aギャラリー
⾼さ13メートルのメインギャラリー「Aギャラリー」では、代表的な⼤型の⽊彫作品を中⼼に、ソフトビニールや⽯を⽤いた⼤⼩様々な彫刻作品が並んでおりました。
来場者は、様々な立体作品の間を縫うように鑑賞することが可能です。
立体作品を360度好きな位置、角度で楽しめることが出来ました。
原始的でミステリアスな彫刻作品にぐぐっと迫って見ることが出来ますし、決められた位置からの写真撮影も可能です。
展示作品を縫うように鑑賞していくと、自分も作品と同化したような感覚も現れて来ました。加藤泉さんの見応えある作品と至近で相対する最高の演出でした。
ファブリックを⽤いたインスタレーションを含めて圧巻の展示空間になっていたのではないでしょうか。
Bギャラリー
Bギャラリーは平面作品が中心の展示です。
桶田コレクションと川崎コレクションのいずれも3連の油彩作品が相対して並んだ空間が面白く、また小品のドローイングやリトグラフが敷き詰められた展示も楽しく鑑賞出来ました。
Cギャラリー
Cギャラリーも平面作品の展示室ですが、1994年の作品を含む比較的古い作品が中心の展示室でした。
特別展示室「觀海庵」
特別展示室「觀海庵(かんかいあん)」は通常、理事長の曾祖父である原六郎氏が収集した古美術コレクションを中心に鑑賞する展示室です。
この展示室を使って古美術と加藤泉作品を同室内に展示する企画です。
※9月13日〜10月23日は磯崎新による特別展を開催するため加藤泉作品は展示しておりません。
この空間が個人的には一番印象に深く残りました。
古美術と加藤泉さん作品の相性が素晴らしく、照度を下げた照明が重厚な雰囲気を作り、時代を超越したコラボレーションを成功させていました。
釣りに使う小さなルアーの作品に注目しました。可愛らしい作品でしたが、以前に雑誌の企画で実際に釣りで使われた作品だそうです。釣り好きの加藤泉さんらしくて、とても好印象でした。
まとめ
今回ご紹介しきれませんでしたが、施設内のカフェ「カフェ ダール」では、コラボスイーツの提供やリトグラフの展示販売、ソフトビニール人形の制作ビデオ紹介など、展覧会と関連した企画がいくつも展開されていました。
ハラ ミュージアム アークは、大都市圏から距離のある場所に位置するのかも知れませんが、展示内容の素晴らしさは特筆ものです。
145点もの加藤泉作品を一挙に鑑賞出来る貴重な機会です。
是非とも会場まで足を運んで頂き、加藤泉作品の放つエネルギーを存分に浴びて頂きたいと思います。
なお、原美術館の展覧会については下記にまとめております。
概要
「加藤泉-LIKE A ROLLING SNOWBALL」
会場:ハラ ミュージアム アーク
会期:2019年7月13日[土]〜2020年1月13日[月・祝]
休館日:木曜日(8月中は無休、2020年1月2日を除く)、2020年1月1日
開館時間:9:30〜16:30(入館は16:00 まで)
入館料:一般 1,100円、大高生 700円、小中生 500円、70歳以上 550円
※同時期開催 〜 「加藤泉-LIKE A ROLLING SNOWBALL」 会場:原美術館 会期:2019年8月10日[土]- 2020 年 1月13日[月・祝] 休館日:月曜日(2019年8月12日、9月16日、23日、10月14日、11月4日、2020年1月13日を除く)、2019年8月13日、9月17日、24日、10月15日、11月5日、年末年始 開館時間:11:00〜17:00(水曜は 20:00まで/入館は閉館時刻の30分前まで) 入館料:一般 1,100 円、大高生 700円、小中生 500円、70歳以上 550円