シェル美術賞展 2018
シェル美術賞は本年47回目の開催となる現代美術の公募展です。
次世代を担う若手作家のための美術賞であり、創設当初より完全な公募制で実施しています。
2018年は応募作家593名、作品839点が集まり、5名の審査員によって審査が行われました。

どの作品も見応えがあって良い作品が目立ちました。
現代アートの若手作家が集う、充実の公募展です。

「自分を見る」という事がテーマの一つです。鏡や写真で自身を見るというのは必ずしもそれではなく、自己認識というのはもっと複雑なものだと思います。他人を見て自分を重ね合わせたりするものです。また今回の作品がこれから多くの方の目に触れる事にスリルと幸せを感じています。これから見る方に新しい発見や驚きがあればいいなと思っています。

時々、他者のような自分が私を観測していて、絵を介してそこにある図像が固定的に解釈されないことを楽しむように次の一手を待っているのではないかという気になります。 ここにいる私はそれを確認する必要があり、意味や理由で補完できないような意識、状態、状況を描くことを行なっています。 ここにいる私もまた、私の観測者であるのだと思います。
やましたあつこさんの作品《月が綺麗ですね》は、夏目漱石が「I love you」を「月が綺麗ですね」と翻訳したところから引用されています。

今自分が思っていること、 感じたこと、何を考えているか、どうしたいのか、 自分の頭の中で起きている物事をキャンバスに向けて制作をしています。 私の作品制作は、支持体を作るところから始まります。 物語を作り上げていくように、木材を組み立て地塗りキャンバスを作り、 作品(になる前の状態だけど)と会話をするように、 油絵の具と鉛筆で描いていきます。 全部ぜんぶ、息を吸うように、私と作品はぴったりとくっついていたいのです。


今から約29年前の事です。平成元年、私が生まれました。 約20年前の事です。子どもだった私は”ワールドカップ”という題名で、ターバンを巻いた各国の政治家たちの頭を茶色に塗ったコラージュでコンペディションに初めて入選しました。大人が自分の作品を観て笑っている意味が、当時はまったく分かりませんでした。 そして、平成最期の秋、私はまたソレっぽいものを描いていました。つまり、20年ぶり2度目ということです。




人を愛するというのは大層切ないものだと知りました。どうしようもないのです。私にできるのは、描くことと祈ることくらいです。

生活の中で目にとまった物事をまずは描いて、画面の中でそれを展開させていくというのが近頃の制作の流れです。 その際、主に形から入るか、情景から入るか、という二択になりますが、今回は形から入りました。 最初は割れ目だけがあり、外堀を埋めるように体が出来ました。すると意識もだんだん俯瞰へと移っていき、少し壮大なテーマのようなものが浮かび上がってきたように感じました。




モチーフに合わせ物語や登場人物を設定し、イメージを固めながら制作をしています。 しっかりとしたストーリーがあるものから、一瞬の一コマを切り取ったものなどスタイルは様々です。 「Flower crown」は、花嫁がこれから訪れる輝かしい未来へ歩みだすシーンを想像しながら描いた作品です

この作品は、独自に創造したキャラクターが私の故郷であるフランスの村の空を漂う様子を描いています。 この創造したキャラクターは私自身が投影されたものであり、拠り所を見つけようとする私の姿が表現されています。 日本で学んだ伝統的な描画による表現と平滑な表現によるアニメ画像のような二つの異なる要素を対面させる事によって独特な表情を持った作品を作りたいと考えています。

『”社会というコミュニティの中での強制的調和性”に対する反対力』をテーマに掲げ、製作しています。この社会に「この人(物)はコントロールする事ができない。いくら愛情を注ごうが歩み寄ろうがまったく反応しない。それどころがこちらに対してはっきりとした嫌悪感すら抱いている。」という何かを存在させたい、させるべきです。それが足りないが為に人は奢り、腐るのだと思います。

戎(いくさ)の気配を感じると、人はそれに抗うかのように可愛く、美しくなっていくような気がした。 ふと、「ボルゲーゼのアレス」のように、軍神でありながらも荒々しさがなく美しく、そして怒りと慈愛のある姿を思い出した。一見矛盾している感情や事柄もきっと繋がっているのだ、と思いながら制作をした。