【個展】現代女性を強く描く〜中原亜梨沙「個展」@ぎゃらりい秋華洞

中原亜梨沙さんの個展にお伺いしました。会場は銀座「ぎゃらりい秋華洞」です。

中原亜梨沙《灯影》

カラフルな装飾に彩られた女性ポートレートをイラスト風に仕上げる作品が特徴的な中原亜梨沙さん。一見アクリル絵の具で描かれたような印象ですが、東京藝大の日本画を卒業されたキャリアで正真正銘の日本画です。

中原亜梨沙《爽やぐ》

写実に寄らず、デザイン的で記号化的なアプローチを感じる特徴的な技法です。

左:中原亜梨沙《おもかげ》※下図 右:中原亜梨沙《虹色のぬくもり》※ジクレー

女性の表情も笑顔の作品は無く、芯の通った凛とした雰囲気を感じさせるもので、現代に生きる強い女性を描いているような印象です。

中原亜梨沙《幻世》

展示作品の中では《かぐや》に注目して鑑賞する事が出来ました。作品の中で描かれている月、竹、花などの要素をそれぞれの画面上に配置させつつ、時間を感じさせる模様を含める構造的なアプローチが面白くて、単純な描写に収まらないスケールを感じました。その他の作品も構図が絶妙で、綿密に計算されているようなに感じました。

中原亜梨沙《かぐや》

作品は一部を除いて販売されますが、人気作家さんなので抽選販売という方式です。

左:中原亜梨沙《かぐや》中央:中原亜梨沙《羨望》右:中原亜梨沙《祥雲》

どの作品も、相性を考えられている額縁に収まっていて、洗練された作品をグッと引き締めることに成功しているようです。

中原亜梨沙《羨望》

何もかもが完璧に統制されているようで、普段行くギャラリーが違った空気に支配されているように感じました。

中原亜梨沙《祥雲》

企業からの仕事も多く受けていらっしゃるようです。

キクチアートギャラリーとのコラボ品 ※試作品

中央:企業事例〜ポカリスウェット・ポスターと原画

展示風景

中原亜梨沙《模倣》

左上:《独奏ーあわゆきー》左下:《独奏ー紙飛行機ー》右上:《独奏ー色模様ー》右下:《独奏ーILLUSTRATIONー》

《蒼》※参考作品

安定感があって、粒揃いの素晴らしい作品たちですね。

岩絵の具を使った日本画には見えないですし、作家の中原さん曰く「筆跡を残さない(作者の気配を消す)」ことに力点を置いているということも興味深いアプローチですね。

中原亜梨沙さん

今後のご活躍をさらに期待しております。

概要

中原亜梨沙 個展
会期:2018年12月7日(金)~16日(日)
場所:ぎゃらりい秋華洞
時間:10:00~18:00 会期中無休
※Xmasアートフェスタのため12/7(金)は21時まで営業
入場無料