【個展】スーパーリアリズムを越えるハイパーリアリズムへ〜Yigal Ozeri「Reflection」@Whitestone Gallery

Yigal Ozeri「Reflection」

イスラエルの作家Yigal Ozeri(イガル・オゼリ)さんの個展「Reflection」にお伺いしました。会場は有楽町のギャラリー「Whitestone Gallery」です。
Whitestone Galleryさんからは定期的にDMを頂いておりまして、今回は「綺麗なモデルさんを使った写真展だ」と思ってました・・・、が!なんと写実絵画だったのです、ビックリ!

Yigal Ozeriはスーパーモデルを起用した油彩絵画を制作しています。写真と見間違うようなクオリティです。

《Untitled; Zuzanna》2018. Oil on canvas

ギャラリストにお話を伺うと、Yigal Ozeriさんをスーパーリアリズムを越える表現として、「ハイパーリアリズム」と呼んでいました。
さて、スーパーリアリズムとハイパーリアリズムの違いはどこにあるのでしょうか?
答えはずばり「背景の描き方」です。
いわゆる写実絵画との違いは背景をキチンと描き切れているか、なのだそうです。確かに凄くリアルです。難易度の高い「紙に油絵」も簡単に描いている技量の持ち主です。

紙に油彩の作品。

幾つか不穏な作品もあって面白かったです。スーパーモデルのオフの日を切り取ったモチーフでしょうか。

作品は助手などを携えて制作されているようです。村上隆さんのようですね。作品はイスラエルやアメリカを中心に美術館などに所蔵されていて、サザビーなどのオークション市場でも高値で取引されているようです。よって、価格はそれなりのお値段になっていて、大作になると600万を超えていきます。どの作品も女性モデルの微妙な内面を含んでいるようで、想像力をかき立てられます。

  まとめ  

ここのところ写実絵画がもてはやされています。
写真に限りなく近いのであれば、写真で良いじゃ無いか、と言う議論もあると思いますが、そういった議論を予測しているかのように、写実絵画作家はそれぞれに独自のエッセンスを付加しています。

Yigal Ozeriさんの作品は遠近法によるぼかしを有効活用し、写真と同列上で作品を置いているようです。
スーパーモデルを使うことによって、写真に対して挑戦状を叩きつけているようです。
しかし、実際の作品はそこかしこに油絵の「残り香を」残していて、絵画作品としての主張を感じました。

 

概要

Yigal Ozeri(イガル・オゼリ)
Reflection 反射
会場:Whitestone Gallery
2018.10.12 – 11.04
Opening Hours: 11:00 – 19:00
Closed: 月曜